5-1.地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所について
   神奈川科学技術アカデミーのブランドについて


<質問要旨>

 KASTは優れた研究成果とそれを創出した研究者群のみが築ける研究開発業界のブランドとして成長しており、研究員一人当たりで見れば、理化学研究所や国の産業技術総合研究所などに劣らない研究成果を誇っている。
 研究機関の名称がブランドとして定着することは、地方自治体のレベルのものとしては世界的にも異例で、今後、独法化後も国内外から優秀な若手研究人材を集め、イノベーション創出に繋がる研究開発を行っていくために、KASTというブランドを活用すべきである。

 そこで、神奈川県立産業技術総合研究所が、新たなブランド力を確立・発揮していくためにも、これまで築き上げてきたKASTというブランドをしっかり継承していくことが有用ではないかと考えるが、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 神奈川科学技術アカデミー、KASTは、平成元年、世界的レベルの高等研究機関を目指して設立され、現在は、基礎研究から実用化研究まで幅を広げた研究開発と研究者の育成を行っています。
 これまでの長年の取組みにより、KASTの研究は、
・国内有力大学と比べても、発表論文一件当たりの引用回数が多く、高い研究成果を上げている
・特許の取得管理など研究者への支援が充実しており、研究しやすい環境を提供している
・海外から来た優秀な研究員が自国に戻って活躍している
などの点で、海外からも高く評価されています。
 こうした評価が、国内外の優れた若手研究者を集め、高い水準の研究成果を出すことで、それがまた優秀な人材を呼ぶという好循環があり、KASTというブランドが形成されています。
 KASTと産業技術センターを統合して設立する産業技術総合研究所、産技総研は、そうしたKASTの良さをしっかり引き継いだ上で、新たなブランド力の確立・発揮を目指していきます。
 この新たなブランド力が十分に発揮されるためには、KASTが産技総研に引き継がれたことを広く認知してもらう必要があります。  そこで、産技総研の立ち上げの際は、特に研究開発分野に対しては、新名称に「旧KAST」の表示も添えるなどの工夫をして、積極的にPRし、KASTブランドの維持・向上に努めてまいります。