5-2.地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所について
   産業技術総合研究所における技術支援について


<質問要旨>

 産業技術センターは、産業技術総合研究所の設立に伴い、県の機関から地方独立行政法人に移行されることになるが、事業の幅が基礎研究まで広がる中でも、中小企業等への技術支援業務の比重が、相対的に低下しないようにする必要がある。また、産業技術センターの職員は産業技術総合研究所の事業の全体像や組織体制が示されていない中で、不安を感じていると聞いている。それぞれ大きな方向性を示しながら理解を得ていくことが、産業技術総合研究所の円滑な運営につながるものと考える。
 今後、こうした点に留意し、中小企業に対する技術支援をさらに強化し、県内産業の技術力向上に貢献すべきである。

 そこで、産業技術総合研究所がこれまで以上に中小企業等への技術支援を展開していくために、今後、どのような考え方で産業技術総合研究所の事業や体制を検討していくのか、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 新たに設立する産技総研は、産業技術センターが行っている、中小企業等への技術支援や事業化支援の事業を引き継ぐとともに、神奈川科学技術アカデミー、KASTの研究成果や機能を活かして、事業の充実・強化を図っていきたいと考えています。
 まず、技術支援については、現在、産業技術センターでは、金属素材等の耐久性評価や、機械装置等の故障原因を探るX線検査などを行っています。
 産技総研では、これらに加え、例えば、KASTの研究から生まれた「光触媒を用いた素材の抗菌・抗ウイルス性能評価」などを行うことで、中小企業等が開発する製品を、国内外に効果的にアピールできるようになります。
 また、商品化等の事業化支援についても、KASTが形成している大学等とのネットワークを活かし、中小企業等のニーズに合った研究成果を発掘・紹介することで、商品開発に向けた共同研究ができるようになります。
 次に、産技総研の運営体制については、こうした事業を分担しながら円滑に実施できるように、大学等と連携して基礎研究などを行う研究部門、製品の評価や検査等を行う技術支援部門、及び、製品化を支援する事業化支援部門を設置することを想定しています。
 さらに、革新的な製品開発に向けて、基礎研究から事業化まで一貫して支援するため、各部門の事業を管理・調整する企画部門を設け、2つの機関を統合する効果を、最大限に発揮できるようにしたいと考えています。
 こうした産技総研の事業や運営体制のあり方については、引き続き経済団体や企業等の意見もお聞きするほか、現場を担っている職員とも意見交換を行い、詳細を詰めてまいります。