1.学校のトイレについて。(3)

<質疑>
 学校トイレの問題は、我が団の山田団長が、10年前、初めて前岡崎知事に真っ正面から論戦を挑んだことに始まり、その後、多くの関係者のご努力もあり、一部法整備も含め、県内の小・中・高の学校トイレの整備は進展し、教育環境は大きく改善されました。しかし、それでも校舎の老朽化にはなかなか追いつけません。老朽化した学校に関する苦情の中で、常に多くを占めているのがトイレの問題です。臭気や便器の汚れがひどく、生徒は日々我慢をして使っていると。
  生徒に日常的な清掃をさせるのは、教育的見地から大切なことと思いますが、トイレの清掃には技術が必要です。その点、十分な指導が行われているのか気になるところです。また、古い設備の場合、臭気の発生しにくい改良が必要なこともあります。生徒に日常の清掃をさせる場合の十分な指導に加え、専門業者による定期的な清掃で補うことが必要ですが、その点については学校の裁量に委ねられているのが現状です。



 そこで、教育長に伺います。

 県教育委員会として、日常清掃、定期清掃の重要性を学校に徹底させることが必要と考えますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
 また、学校を地域の防災拠点として考えるとき、トイレの整備は避けて通れない問題です。今後、地域の防災拠点づくりの中で学校トイレをどのように位置づけていくべきか、市町村等とも連携して、県民意識を高めるような取り組みを行うことが重要だと考えます。例えば「学校トイレと防災」等のタイトルでトイレシンポジウムを開催し、来るべき災害に備え一日も早く全県挙げての取り組みを強める必要があると思いますが、あわせて教育長のご所見をお伺いいたします。



<答弁>
 生徒が多くの時間を過ごす学校において、トイレは大切な空間だと認識しておりますが、議員お話のように、トイレには臭気の問題等があるのも事実でございまして、まずは生徒に対して、お互いに気持ちよく清潔に使用するよう指導しているところでございます。
 また、県立高校の清掃活動につきましては、教育的な意味もあることから、各学年で年度当初に分担を決め、場所ごとの日常清掃や大掃除の際の内容と手順を定めて、計画的に実施しているところでございます。しかし、トイレの清掃については多くの生徒がふなれなことや、清掃用具をうまく使えない状況もありますことから、教職員によります、より一層のきめ細かな指導が必要だというふうに思っております。さらに、日常の清掃ではとり切れない汚れについては、薬品等を使用することから、業者による定期的な清掃を行うとともに、状況に応じて修繕工事も実施してまいります。
 このような、学校における日常清掃と業者による清掃を組み合わせることにより、学校トイレの清潔で衛生的な環境整備に努めてまいりたいと考えております。
 また、災害時における、県立高校のトイレ対策についてでございますが、議員のお話にもございましたように、学校が地域の防災拠点として中心的な役割を担っているということを、昨年の中越地震の状況から再認識したところでございます。県立学校のトイレにつきましても、災害時には被災者の方々が避難生活を送る上で大変重要なものと考えられますので、発災時の状況も念頭に置いて整備すべきであると考えているところでございます。
 こうした中、お話にございました、災害時における学校等のトイレのあり方をテーマとしたシンポジウムにつきましては、被災者対策の中心的役割を担う市町村を初め、防災やトイレに関係する団体などと協力して開催することとし、これを契機に、今後、市町村や関係団体と一緒になって、学校のトイレのあり方について研究してまいりたいと考えております。