1.障害児教育に関連して。(4)

<質疑>
 近年、養護学校へ入学を希望する子供たちが急増し、特に知的障害養護学校では、設置当初に予想した受け入れ可能人数を大幅に超えた子供たちが入学し、どこの養護学校も指導そのものに苦慮していると聞いております。
 先日、保土ヶ谷養護学校を視察させていただきましたが、この学校では平成10年以降に入学希望者が急増し、現在は小学部、中学部、高等部を合わせて開校時の予想人数の2倍以上となる270人余りの児童・生徒が在籍しています。こうした中にあっても、校長先生初め教職員が一体となって、まさに体当たりで児童・生徒を指導しており、そうした点では安心いたしましたが、教育環境を整備すれば、より充実した教育ができるのではないかとも考えております。
 このような現状に対し、教育委員会では、プレハブ校舎を増築したり、通学範囲内にある県立舞岡高校の余裕教室を活用した分教室を設置するなど、さまざまな工夫をしていると承知をしています。また、保土ヶ谷養護学校では、特別教室を普通教室に転用するなど、子供たちを受け入れるために最大限の努力をしておられますが、せっかくスペースがあっても、そのままでは普通教室への転用が難しい特別教室も見受けられました。
 また、日常的に医療的な対応が必要な子供たちも在籍していますが、すし詰め状態の教室の中では対応が難しいといった、命にかかわる課題も生じております。
 こうした現状を見ますと、周辺地域への新たな養護学校の設置こそが唯一の解決策なのではないかと思っています。
 昨日の自民党、土井議員の代表質問への答弁では、川崎北部方面養護学校に次いで平成20年に横浜南部方面養護学校を開校するということでしたが、残念ながら、保土ヶ谷養護学校の過大規模化の緩和には寄与しそうもありません。現在の県財政、そして周辺の県有地もしくは県有施設で活用できるところがないという状況を考えると、すぐに新設することは難しいと思いますが、ぜひ早急な対応をされるよう強く要望をしておきます。



 そこで、教育長に当面の対応について伺います。

 児童・生徒が急増し、過大規模化が進行する養護学校の教育環境を少しでも改善する必要があります。そのために、例えば保土ヶ谷養護学校で生じているような転用の難しい特別教室の普通教室への改造を、せめて早急に進める必要があると思いますが、教育長のご所見をお伺いいたします。
 また、全国に先がけて県立の肢体不自由養護学校で実施している看護師の配置などの医療的支援を、保土ヶ谷養護学校など、過大規模化の進む知的障害養護学校でも実施する必要があると考えますが、あわせて教育長のご所見をお伺いいたします。



<答弁>
 近年、養護学校に通学を希望する児童・生徒が急増し、各学校ともに適正規模を大幅に超えた数の児童・生徒を受け入れている現状がございます。こうした急増の状況は、特に横浜地域において顕著でありまして、中でも保土ヶ谷養護学校は、横浜市内における県立、市立の養護学校の配置状況から、市中心部から南部方面までの広域を通学範囲としているため、県内の養護学校の中でも最大の過密校となっております。
 このような状況に対応するため、急増する横浜南部地域の児童・生徒の受け皿として、平成20年4月開校を目途に横浜南部方面養護学校の建設を進めるとともに、保土ヶ谷養護学校では緊急対応として、校舎の増築、分教室の設置、特別教室を普通教室に転用するなどの対応を図ってまいりました。
 お話にありました、普通教室への転用が難しい特別教室につきましても、可能な限り改造工事を実施し、児童・生徒が少しでも余裕を持って学習できるように努めてまいりたいと考えております。特に、保土ヶ谷養護学校からは、古くなった和室を普通教室へ改造という要望をいただいておりますので、できるだけ早い段階で対応していきたいと考えているところでございます。
 また、本県では、肢体不自由養護学校を中心に、常時医療的ケアの必要な児童・生徒が数多く在籍しておりますことから、肢体不自由養護学校や平塚ろう学校では、専門医に巡回していただくとともに看護師を配置し、医療的支援を実施してきております。最近では、知的障害養護学校でも、こうした医療ケアの必要な児童・生徒が徐々にふえてきておりますので、学校とも十分に相談し、肢体不自由養護学校と同様な医療的な支援が行えるよう、早急に対応してまいりたいと考えております。