3.入札参加可能者数について(1)

<質疑>
 談合、贈収賄、予算のむだ遣いなどの温床ともなってきた入札制度の改革に向け、地方自治体レベルで意欲的な取り組みが広がっています。本県としても、平成18年度より新しい入札制度、かながわ方式を導入しようとしているところであります。指名競争入札から条件付き一般競争入札への移行、そして電子入札システムの導入については、健全な競争と透明性、公正性という観点からは評価できるところであります。しかしながら、一方で、過当な競争が生じるおそれも皆無ではなく、そのために、地域に密着した小規模零細事業者が立ち行かなくなることは、何としても回避しなくてはならないと考えているところでもあります。
 新しい入札制度、かながわ方式の基本的内容の中の入札参加可能者数を見ますと、250万円を超えて5,000万円未満の工事では原則30者程度となっています。しかしながら、250万円と5,000万円では工事の種類や規模が全く異なる場合もあり、それらの競争環境を同一にすることが果たして適切なのかどうかという疑問が残るのであります。
 平成16年度の県土整備部発注の土木工事契約額別件数を見ても、5,000万円未満で全体の約8割を占めています。これを金額帯で見ると、1,000万円未満の工事が占める割合は全体の29%、これは5,000万円未満の工事の37%に当たります。また、1,000万円以上2,000万円未満の工事は全体の20%、これは5,000万円未満の工事の26%です。一口に5,000万円未満の工事と言っても、その中身は実に多種多様であることがうかがわれます。
 ついては、250万円超5,000万円未満という区分をもっと細分化して、比較的少額な工事の競争率を緩和することが必要ではないかと思うのであります。



 そこで、知事にお伺いをいたします。

 小規模零細事業者に対するセーフティネットの意味からも、250万円超5,000万円未満という区分をもっと細分化して、少額工事であるほど入札参加可能者数を減じて競争率を緩和することが必要と考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。


<答弁>
 今回の入札制度改革、かながわ方式における公共工事の入札参加可能者数につきましては、発注金額に応じて業者数を設定いたしております。具体的には、250万円を超えて5,000万円未満の案件につきましては原則として30者程度、5,000万円以上1億5,000万円未満は原則40者程度、1億5,000万円以上24億3,000万円未満につきましては原則50者程度としております。このように、金額に応じて入札参加可能者数を三つに区分し、条件付き一般競争入札で実施したいと考えております。これは、今回の改革に当たり、入札参加可能者数の設定につきましては、今までと比べ一層競争性を確保しようという観点から、このような区分と業者数で実施をしようとするものでございます。
 また、現行の指名競争入札ですと、特に少額な工事の場合には、指名業者数も限られることから、受注意欲のある業者が指名をされず、入札に参加する機会にも恵まれないということもございます。こうしたことから、少額な工事も含め、入札参加可能者数につきましては、特殊な工事を発注する場合などを除き、原則30者から50者程度の設定で、条件付き一般競争入札により平成18年度から実施してまいりたいと考えております。