4.県営住宅の諸課題について(1)

<質疑>
 「神奈川県公営住宅ストック総合活用計画」は、本来であれば建て替えが検討、もしくは実行されてしかるべき状態にある県営住宅を、逼迫する財政の中、今あるストックを改善、あるいは維持保全という手法で長持ちさせていこうというもので、エレベーター設置等については、平成22年度までに県営住宅全体の53%に対策を講じることとしておりますが、既にエレベーターが設置されている高層住宅を含めたとしても、平成22年度までに53%という数値を達成するには、中層住宅に相当数の対策を講じる必要があり、現時点では相当な遅れが生じていると言わざるを得ません。

 しかしながら、松葉杖をついて5階まで上り下りをされている方、4階まで休み休み20分以上もかけて上られている方など、病気や障害を抱え、大変な思いをされている居住者も少なくないのであります。
 確かに階段室型エレベーターの設置は費用もかかるため、簡単に推進できることではないことは十分承知をしておりますが、高齢化の著しい居住者のことを考えると、迅速かつ着実に進めなくてはならない事業であります。



 そこで、知事にお伺いいたします。

 公営住宅ストック総合活用計画では、平成22年度までに県営住宅全体の53%にエレベーターを設置するとありますが、今後どのようにエレベーターの設置に取り組んでいかれるのか、知事のご所見をお伺いいたします。

<答弁>
 新築や建て替えに伴う中層の県営住宅のエレベーターにつきましては、平成4年度から5階建て住宅に、また、平成8年度から高齢者や身体障害者向けの特定目的住宅のある4階建て住宅に設置してまいりました。さらに、平成13年度からは3階建て以上の住宅にエレベーターを設置してきております。
 こうした中で、既存の中層住宅へのエレベーターの設置につきましても、平成13年度に策定した公営住宅ストック総合活用計画の中で設置を位置づけておりまして、鋭意整備を進めているところでございます。

 しかしながら、中層住宅全体の戸数に比べますと、必ずしも十分とは言えない状況となっておりまして、今後、高齢社会が進展する中で、県営住宅の入居者の高齢化も必然であり、エレベーター設置の必要性は一層高まるものと認識をしております。

 今後の取り組みでございますが、公営住宅ストック総合活用計画を平成17年度に見直すこととしておりますので、特に既存中層住宅におきまして、エレベーターの設置を含めた改善事業の進め方を検討し、改めて見直し後の計画に位置づけてまいります。
 具体的には、各団地の状況や入居者の実情などを勘案し、住宅の棟ごとに優先度を見きわめ、エレベーターを設置するなど、より効率的な改善事業の推進を図ってまいりたいと考えております。