7.働き方改革について
 (1)県庁の働き方改革について


<質問要旨>

 長時間労働を前提とした働き方を抜本的に変えるためには、庁内の推進体制を整備するだけでは不十分であり、業務の効率化を図るとともに、仕事の進め方そのものを見直すこと等が重要である。また、育児や介護等の制約がある職員も含めた全ての職員がその能力を最大限発揮できる職場環境を整備するため、テレワークについて積極的に取り組む必要がある。

 そこで、県庁における働き方改革を着実に進めていくためには、時間外勤務の削減等に向けた取組を、職員一人ひとりにまで、しっかりと浸透させていくことが極めて重要と考えるが、どのように取り組んでいくのか伺いたい。

 また、多様で柔軟な働き方を実現するため、来年度に向けてテレワークをより一層拡大して実施していくべきと考えるが、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 まず、県庁の働き方改革についてです。
 限られた人員と財源の中で、今後とも適切な県民サービスを提供していくためには、職員の能力を最大限発揮していくことが重要です。
 そのためには、職員一人ひとりに、行政の効率化をめざし、長時間労働の是正など、働き方を変える意識を浸透させ、質的改革を進めていくことが大切です。
 昨年末、私と全グループリーダーとで、4回に分けて、仕事の進め方について議論したところ、「やらされ感」という言葉がキーワードとなり、働き方改革を進める上で、幹部と職員、職員相互のコミュニケーションが何よりも重要であると、改めて感じました。
 そこで、仕事始め式では、日頃からしっかり議論し、職員一人ひとりが自分の頭で考え、納得する、ということを徹底しようと伝えました。
今月中に設置する「働き方改革推進本部」では、改革の取組や課題を見える化するとともに、職員にしっかりと議論してもらい、その意見を反映させながら、改革の浸透を図っていきます。
次に、テレワークについてです。
 テレワークは、多様で柔軟な働き方を実現するうえで有効な手法の一つです。
 そこで、今年度は、全職員にアンケートを実施するとともに、人事部門と情報部門の職員による試行を行うなど、導入に向けた検討を進めてきました。
 職員アンケートでは、育児や介護に関わる職員の約8割から、「テレワークを利用したい」との回答がありました。
 また、試行した職員からは、「通勤時間の削減により、子どもの送迎や、家族と過ごす時間を確保できた。」といった意見が出される一方、「より一層、資料を電子化する必要があると感じた」との意見もありました。
 来年度は、これまでの試行結果を踏まえ、課題とされた点にも配慮しながら、育児や介護に関わる職員を対象として、全庁で100名規模にテレワークを拡大したいと考えています。
 こうした取組をはじめ、今後とも、働き方改革推進本部で全庁の議論を活性化し、県庁の働き方改革を着実に進めてまいります。

<要望>
 テレワークの推進というところで、前向きなご答弁をいただきました。実はテレワークというのは、すでにいろんな企業が取り入れている中で、ヤフーというインターネット関連の会社が取り上げて、労働時間短縮で成果を上げているというような記事もございましたので、これから、この100人をきっかけにして、さらに広がっていくことを念願しています。
 また、霞が関の女性官僚の方が書いたレポートの中にあったのですけれど、いわゆる残業前提型業務というのを続けている以上、なかなか現場の業務軽減にはつながっていかないということを書かれていました。
 事務量の見直しというのでしょうか、公共部門というのは民間と違って、なかなか仕事の効率、仕事の生産性を上げていくことが難しい部門だと思います。昨日の質疑では財務省というのはどうも悪役になっていましたけれども、財務省の研究部門が、公共部門のマネジメントという研究をまとめて、本も出ています。これを見ますと、民間企業の手法を参考にして、いわゆる計数による労働の管理、仕事量の管理、事務量の管理というものを行って、無駄な事業を見つけて、効率を図っていくという手法のようでございまして、ぜひそうした試みもございますので、参考にしていただければと思いました。




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