4.介護ロボットの普及に向けた取組について


<質問要旨>

 介護ロボットの活用については、2009年から会派をあげて普及に取り組んできた。
 県は、生活支援ロボットや介護ロボットの普及を図るため、全国をリードする取組を進めてきた。一方で、県内にどれだけのロボットが導入されているのか、どうすれば必要としている人が使えるようになるのか、更には、どのような人に、どのようなロボットを使って、どのような効果があったのかという「エビデンス」についても、介護の現場で働く者でさえ情報にアクセスできない。

 そこで、今後、介護ロボットの普及をさらに加速化させていくためには、更なる普及啓発や事業所支援の充実が必要であり、事業者などからの相談に幅広く応じられる窓口の設置や、これまで介護現場に導入された介護ロボットについて、その効果など事業所の評価を集約して発信するようなポータルサイトの開設などが必要と考えるが、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 近年急速に開発が進む介護ロボットについて、県では、介護業務の効率化や従事者の負担軽減に着目し、全国に先駆けた取組みを進めてきました。
 まず、平成24年度から、実際に介護ロボットを使用している介護・医療現場を公開事業所に位置づけ、広く視察・見学を受け入れ、普及に努めてきました。
平成25年度に県内の介護事業所を対象に行った意識調査では、約8割の事業所から、価格が高いこと、7割弱の事業所から、製品の理解が不十分との回答がありました。
 このため県では、平成27年度から、地域/医療介護/総合確保基金を活用して、ロボットの導入経費を補助するとともに、今年度から、ロボットメーカーを招いた説明会や、製品に関する個別相談を実施し、補助についても予算額を上回る申込みをいただくなど順調に導入が進んでいます。
 今後、介護ロボットをさらに普及促進していくためには、介護事業者などに、製品への理解をいっそう深めていただく取組みが重要です。
 このため、現在行っている、事業者からの相談や説明会を、来年度から設置する「介護ロボット導入相談センター」で行いたいと考えています。そして、このセンターを幅広く相談に対応する窓口として周知するとともに、神奈川リハビリテーション病院にも、リハビリロボットに関する専門的な相談窓口を設けていく予定です。
さらに、現在、介護ロボットに関する様々な施策を掲載しているホームページについても、事業所での導入効果をわかりやすく掲載するなど、介護ロボットのポータルサイトとして、さらに充実していきます。
 このような取組みを通じて、介護ロボットに関する事業所支援や理解促進を充実させ、介護ロボットの普及を加速してまいります。

<要望>
 介護ロボットの普及についてですけれども、先だって日本経済新聞に、「介護ロボ特需現場とズレ」という記事がありました。先ほど、かなり普及は進んでいるという御答弁でしたけれども、私たちが現場を歩く中で、まだまだこれ知られてないなというふうに思います。その一つの要因として、いまだに一定程度の介護施設の方々が、人の手による温もりのあるサービスを理念としており介護ロボット導入には反対と、そういうことをおっしゃっているわけです。
 知事もよく御存知のように、介護ロボットというのは、介護従事者、あるいは家族の負担を軽減するためのものであって、すべて機械任せにするということではありませんので、やはり、そうしたこともまだまだ浸透が足りていないのかなと思っています。先ほど様々、相談窓口を新たに設けたりですとか、前向きの御答弁をいただきましたので、この介護ロボット、これからの県民福祉の向上につながるものだと私も信じておりますので、しっかりと取り組んでいただくことを要望させていただきたいと思います。




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