2-2.県における非正規雇用と障害者雇用について
   知的障害者雇用の促進について


<質問要旨>

 障害の有無にかかわらず、全ての人が誇りをもって共に生きることができる社会を作っていくためには、保健・医療、福祉、教育、雇用等が一体となった取組を推進することが必要であり、中でも障害のある人の雇用・就労支援は重要な柱になる。
 本県においても、身体障害者を対象とした採用選考を実施し、知事部局では法定雇用率を上回る採用を行うなど障害者雇用を推進する取組を行っていることは承知しているが、身体障害者だけでなく知的障害のある方の雇用促進も重要である。
 知的障害者の雇用を進めるとともに、県内の民間企業の雇用促進に広げていくためには、まず、県が率先して雇用と職域拡大に取り組むべきである。

 そこで、知的障害者を職員として雇用し、その職域拡大を図ることについて、どのように考えているのか、所見を伺いたい。


<答弁> 黒岩知事

 知的障害者の自立と社会参加を進めるため、県は知的障害者の雇用に率先して取り組む必要があります。
 そこで、県では、「さがみ緑風園」において、平成4年度に県立特別支援学校から実習生を洗濯部門に受け入れ、5年度からは非常勤職員として雇用し、22年度までに3名の方を雇用してきました。また、「湘南なぎさ事務所」で10年度から20年度まで、草刈などを行う非常勤職員として雇用したほか、「ひばりが丘学園」では、18年度から洗濯部門で2名を非常勤職員として雇用し、現在も継続しています。
 さらに、教育委員会では、16年度から文書集配や印刷・製本業務等を、知事部局では、19年度から文書集配と印刷業務の一部を、障害者の就労や雇用安定を支援するNPO法人に委託しており、知的障害者が業務を行っています。この法人は、文書集配業務等を、障害者の就労に向けた実習の場としても活用しており、平成26年度では知事部局と教育委員会を合わせて22名が実習を行い、そのうち、9名の方が民間企業に就労しました。
 また、教育委員会では、平成14年度から、特別支援学校高等部の卒業生の就労促進のために、神奈川県ビルメンテナンス協会と連携し、清掃用具の扱いやビジネスマナーを学ぶ研修を実施しています。
 このような取組みを進めてきた結果、障害者の方が仕事を継続していくための課題も明らかになりました。具体的には、それぞれの障害の程度や適性に合わせた職に就いてもらう必要があること、また、仕事中に障害者を補助するアシスタントが必要なこと、などです。
 そこで今後は、県の業務の中で知的障害者の方に適した業務の洗い出しや、受け入れに当たってのサポート体制について、特別支援学校や障害者団体などの話を伺いながら、検討していきます。そのうえで、県の取組みを民間企業に周知し、知的障害者の就労の機会や職域の拡大を促すことで、障害者の自立や社会参加を進めてまいります。