2.受援力の強化について


<質問要旨>
 東日本大震災では、初めて消防庁長官から緊急消防援助隊への出動指示が行われ、発災から88日間で約3万人、延べ約11万人が被災地に派遣されたが、今回の活動を通じ、食糧・燃料の備蓄や通信・連絡体制、宿泊場所等、様々な課題が浮かび上がったと聞いている。
 大規模災害に備え、本県の受援力を高めるために、今回の教訓を踏まえた緊急消防援助隊の受入体制の整備や通信手段の確保が不可欠であると考える。日常の消防活動は市町村が行っているが、大規模災害時における消防活動の総合調整は県の重要な役割である。
 そこで、緊急消防援助隊との連絡体制や、その活動を支える 補給体制等について、現状でどのような課題があり、どのように改善しようと考えているのか、所見を伺いたい。


<答弁> 安全防災局長
 安全防災局関係のご質問にお答えします。緊急消防援助隊の受入体制についてお尋ねがありました。
 地震などの災害に備えて、県では、市町村の消防防災力の充実強化を支援し、また、消防の相互連携強化の取組みを進めています。
 しかし、大規模地震など、県内の消防力だけでは対応できない災害では、全国から緊急消防援助隊の応援を求めることとなり、その受け入れ体制の整備が重要です。
 緊急消防援助隊の応援を受ける場合には、県災害対策本部の中に置かれる「消防応援活動調整本部」が中心となって、援助隊の活動調整を行うこととなります。
 その際、正確に被害情報を把握し、限られた援助隊を効率的に投入するためには、県と援助隊や県内消防本部との間の連絡体制の確保が課題となります。
 現在、消防救急無線の多機能化等を目指したデジタル化が、平成28年5月をめどに全国で進められており、県内市町村でも先月から整備に着手しています。
 その一環として、安全防災局内に、援助隊等と直接連絡の取れる通信機器を設置することにより、連絡体制の強化を図ってまいります。
 次に、緊急消防援助隊は、被災地消防本部の指揮下で活動を行いますので、物資や燃料の補給などの支援は、原則として、被災市町村の消防受援計画に基づき行われますが、補給体制のより一層の充実が課題となっております。
 そこで県では、今年度創設した「市町村地震防災対策緊急推進事業」により、市町村の物資備蓄等に対する支援を行っています。
 また、県としても「広域防災活動拠点」など11か所に、援助隊用の食料等の備蓄を行っているほか、宿泊、休憩スペース、ヘリポートも備えています。
 さらに昨年8月には、総合防災センターに、備蓄燃料の保管庫を整備したところです。
 こうした県の備蓄も含め、今後とも、市町村と連携して補給体制の整備を進め、緊急消防援助隊の円滑な受け入れに備えてまいります。


<再質問>
 安全防災局長にお尋ねしたいのですが、今後、緊急消防援助隊の受け入れについてですね、様々な充実を図っていくということでありますし、また、無線のデジタル化によっても、だいぶ懸念は払拭されていくだろうというのは分かります。
 神奈川県はですね、緊急消防援助隊のいわゆる受援計画、これは神奈川県の様々な、私、黄色いこの地域防災計画の地震災害対策計画などをみても、神奈川県広域消防応援基本計画という言葉は出てきたりするんですが、具体的な支援と受援のマニュアルのようなものが、見当たらないのですが、これは、あるというふうにも伺っています。
 それでしたら、今回の様々な、見えてきた課題ですね、これを支援あるいは受援マニュアル、計画書のようなものがあればそれでもけっこうなのですが、そういうものにしっかりですね、反映させたのかどうか、させているのかどうか、それをお伺いをしたいというふうに思います。


<答弁> 安全防災局長
 県も消防に関する受援計画を持っております。これに基づいて、先ほど申し上げたように、緊急消防援助隊を受け入れる場合には、安全防災局の消防課の近くに消防応援活動調整本部を置きまして、県と政令市、市町村の消防が集まって、広域的な調整を行うと、そういう体制になっております。
 今後、先ほど申し上げたデジタル化等々で、この消防調整本部にあるデジタルの通信機器で各都県から来る応援隊と直接、電話をしながら、調整をするというようなことになりますので、そういう新しい体制も出てきてまいりますので、そういったことについては、訓練等しながら、課題あるいはさらに変更すべき点があれば、先ほど申し上げた受援計画等に反映させて直していきたいというふうに考えております。