今月2日未明に発生した「綾瀬ホーム ハイムひまわり」の火災により3人の方が亡くなりました。放火という許すべからざる犯罪によって命を奪われた被害者の方々の無念を察し、ご冥福を心よりお祈りいたします。
本県において、こうした障害者グループホーム及びケアホームは、障害者自立支援法に基づく「共同生活援助及び介護」事業の場として、事業所の指定、指導を行ってきたところであります。
自動火災報知器設置の義務付けの対象を規定している消防法施行令では、障害福祉サービス事業について、対象を「生活介護など4つの事業に限る」という定め方で明確に限定列挙しており、この中に障害者グループホーム及びケアホームは明らかに含まれておりません。また、障害福祉の理念から考えて、自宅とは別の場所に入所するのが「施設」であるのに対し、障害者グループホーム等はそれ自体が、地域生活のための「居宅」と位置づけられるものであります。
2006年1月、長崎県大村市での認知症グループホーム火災で7人の方が亡くなられた惨事を踏まえ、消防法施行令の中に障害者グループホーム等を新たに位置づける改正が2007年6月に行われました。この障害者グループホーム等を新たに位置づける改正法令の施行が2009年4月に予定されていること、既存の障害者グループホームには3年間の経過措置があることも考え合わせると、本県として「障害者グループホームは共同住宅」と判断してきたことについては、相当の理由があると私は考えるところであります。
しかし、今回の事故に際し、県から消防庁へ照会したところ、消防庁からは、今回の「綾瀬ホーム ハイムひまわり」は、自動火災報知設備の設置義務を有する福祉施設に該当するとの見解、すなわち、ただし書きにない事業でも福祉施設の実態があれば対象になるとの見解が示されたとのことであります。
私は、法令の解釈としては、現状は限定列挙され、わざわざそれを追加する法令の改正まで予定されていた以上、県の解釈は間違っていなかったものと強く信じておりますが、有権解釈権をもつ消防庁がそう判断し、また、居住される方々の安全ということを第一に考えれば、今後にこそ目を向けていくという姿勢はが、正しいのだと思います。
ただ、突然「自動火災報知器(の設置)が必要」とされた設置者にとっては、設置費用も多額であり、重い負担となります。既存の障害者グループホーム等においても、改めて消防用設備等の確認と整備が必要になり、今後の障害者グループホーム等の設置促進に水をさすことにもつながるのではないかと懸念されるところであります。
そこで、知事に伺います。
障害者グループホーム等を、消防法上の福祉施設として扱うことになると、既存の障害者グループホーム等の運営や、今後の障害者グループホーム等の設置促進にどのような影響があると考えられるのか、ご所見を伺います。また、これまで、事業者に支払われた介護給付費等の中で、自動火災報知器の設置費用は見込まれていなかったのではないかと私は考えておりますが、介護給付費等の中に、自動火災報知器の設置費用は見込まれていたのでしょうか、改めて知事に伺います。
さらに、本県としては、今回の件についてどのように対応しているのか、また、今後どのように対応していこうと考えているのか、併せて知事のご所見を伺います。
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