2.道州制について
(3)知事の考える「道州制の姿」について。

<質疑>
 道州制は、この国のかたちを中央集権型国家から、地方分権型国家に組み替えるという極めて大きな改革であります。
 道州制導入によるメリットもさまざま挙げられておりますが、道州制の議論が国主導で進められると、ややもすれば、都道府県行政の効率化、地方財政の圧縮が目的として強調され、分権が置き去りにされかねません。分権をしっかりと進め、道州、基礎自治体が、それぞれの役割と事務・権能に見合った財源を確保できることが重要であります。
 そのように、真の地方分権改革に適った道州制としていくためには、地方の立場から、あるべき道州制の姿を積極的に発信していく必要があるのではないかと考えます。
 また、受益者となる県民の皆様に対しても、道州制について、その理想やメリット、デメリットなど、わかりやすく、具体的に提示することが、道州制への理解と関心を高めることにつながると考えます。




 そこで、知事に伺います。

 県民を巻き込んだ議論を行うためにも、知事が考えられる「道州制のあるべき姿」を、県民の皆様に、具体的に提示していくことが必要と考えますが、こうした点も含め、今後、道州制について、どのような考えで取り組んでいこうとしているのか、知事のご所見を伺います。

<答弁> 松沢知事
 道州制への転換は、この国の形を抜本的に見直す大改革であり、国民、県民の生活に大きな影響を及ぼすものでもあります。したがいまして、国民、県民の中に道州制についての議論の輪が広がり、その機運が醸成されることが不可欠であります。そのため、道州制の効果と課題などをできるだけ具体的に県民の皆様に示すことがより重要となってまいります。
 そこで、平成18年12月に本県の広域自治制度研究会から、具体的なケーススタディーに基づく道州制の効果と課題についての報告をいただきましたので、地方分権フォーラムなどを通じて道州制に関する情報の提供や議論の喚起に努めてまいりました。
 他方、総合月刊誌に「道州制は国・地方を通じた究極の構造改革」と題する論文を発表し、道州制のポイントは、経済自立と政策自立であることを提起するとともに、実現に至る道筋と制度設計について、私の考えを明らかにいたしました。
 また、政府に対しましては、日ごろより道州制の推進について提案等を行うとともに、全国知事会や八都県市首脳会議などにおいても、特別委員会の創設や新たな道州制の共同研究を提案して合意を得るなど、道州制に関する私の考え方を述べさせていただき、具体的な取り組みがなされているところであります。
 道州制については、国民的なコンセンサスが不十分なまま、都道府県を全国一斉に廃止して道州制を導入することは現実的ではないと考えております。したがいまして、具体的な道州制のあるべき姿などを地方からも議論を進め、県民の皆様にも機会をとらえてお伝えし、議論を深めていく取り組みを今後とも一層強めてまいります。