■交通・地域活性化特別委員会 環境共生・循環型都市の整備推進について
(平成19年3月1日)
<質疑一覧>


<質疑>
 具体的にどんな施設を持ってくるかということは、地域の特色、環境ということをできるだけ生かし画をしていくことが、まちづくりの本来あるべき姿であると思います。
 そこで、今進められているツインシティのまちづくりについて何点かお伺いしたい。

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 特定保留区域への位置付けと、ツインシティの基本的な考え方でございますが、現在、地元ではまちづくりの計画づくり、土地利用計画づくりをしてございます。いきなり市街化区域に編入できるという状況であれば非常に良いのですが、現在の地域は市街化調整区域が多いものですから、将来的に市街化区域への編入を予定するということで、第6回線引き見直しにおいて、特定保留区域に設定したいと考えてございます。
 また、まちづくりの考え方でございますけれども、ツインシティは御承知のとおり新幹線新駅誘致をする寒川町倉見地区、また相模川をはさみました平塚市大神地区で東西一体となったまちを作っていこうということでございまして、まちづくりの考え方として大きく四つの都市像を掲げてございます。一つは、東海道新幹線やさがみ縦貫道路などの高速交通体系の結節機能を生かし、広域的な交流と連携の窓口となる都市。また、相模川や周辺の農業など地域環境との共生を図る、あるいは省エネルギーなどの地球環境に優しい環境共生都市を目指す。また、都市圏内に集積している産業の高度化や多様化を図る、機能誘導を図るということで、厚木業務核都市などと連携して環境や情報などの分野で新しい産業を創出・育成する都市。また、都市と農業の連携ですとか職住近接の位置付けなど、新しい生活スタイル、ワークスタイルを実践する都市。こういった四つを、目指す都市像として取り組んでございます。




<質疑>
 現在、計画地周辺の土地利用はどういう状況になっているのか

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 現在の土地利用状況ということでございますが、平塚市側と寒川町側で若干違いがございます。まず、平塚市大神地区では、検討区域のほぼ全域が市街化調整区域でございまして、地区の中央には国道129号線などの幹線道路が通っております。その沿道には一部、流通業ですとかサービス業施設が立地してございますけれども、地域の大部分が水田あるいは畑ということで、建築物がほとんどないという状況もございまして、丹沢大山山系を臨む、非常に景観にも優れた地域でございます。
 一方、新駅誘致地区である寒川町倉見地区でございますが、ここにもやはり県道が南北に走ってございまして、沿道にはサービス施設が多数立地してございます。市街化区域の中におきましては、工場ですとか流通業などの産業系施設、あるいは戸建ての住宅がございます。また、調整区域においては、ビニールハウスなどによる都市型農業が営まれておりますけれども、若干住宅の立地もあるというような状況でございます。




<質疑>
 地域の特色をどのように生かしていくのか。また、生かすだけではなく、整備をしなければいけない部分もあると思うが、問題点などもお聞かせいただきたい。

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 現在の状況を先ほど御説明申し上げましたが、寒川町側について特に住工混在が進んでいるということでございますけれども、ツインシティのまちづくりについては、全体を通しての考え方といたしまして、交通面では通過交通を分離したり、使いやすい公共交通を導入したり、先ほどから申しておりますような環境負荷の少ない都市基盤の整備、あるいは水や資源の循環システムの導入などということがございます。寒川町には、やはり駅を誘致するということでございますので、駅の機能を補完する広場機能ですとか、さがみ縦貫道路のインターチェンジも近くに予定をされてございまして、現在、工事も行われてございます。そういったことで、広域交通の結節機能を生かした交流連携の窓口となる都市といいますか、そういったところを目指してございます。また、先ほど申しました住工混在の解消ですとか、市街化調整区域におけるスプロール化の解消を図るというのが寒川町側の目標としてとらえています。
 一方、平塚市側につきましては、先ほども申しましたとおり、ほとんど建築物がないという状況でございますので、比較的土地利用の自由度が高いのかなという感じはあります。ある一定程度の規模をもった街区の形成も可能であると思いますので、商業ですとか業務、あるいは住宅などをバランス良く配置をして、にぎわいを創出するような土地利用を考えてございます。また、先ほども申しましたとおり農地がございます、水田もございます。農業用水路等をうまく活用して、都市内のせせらぎですとか、こういったことも整備できればと考えてございます。




<質疑>
 ツインシティの土地利用計画について、どういった広域的な視点を生かしていくのかお伺いしたい。

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 広域的な視点をどうやって生かすのかということでございますが、まず、ツインシティは元々の構想の中で、北側の厚木業務核都市や周辺都市と連携し、県央・湘南都市圏をネットワーク型都市圏に形成するための核とするということで、若干広域的にとらえています。
 また今、委員から御指摘のとおり、さがみ縦貫道路については、開通目標年次が示されているということでございまして、神奈川県のみならず首都圏内の移動時間を大幅に短縮すると。例えば、東名ですとか中央ですとか、関越ですとか、その辺の高速道路とネットワークを形成するということで、特に産業集積の視点からは首都圏における神奈川というのはどういったものかという視点で、都市圏づくりに取り組んでまいる考えでございます。このため、この県央・湘南都市圏の特徴ということで、高度に集積している先端技術産業ですとか、大学や研究機関、あるいはその人材が豊かであるというような特徴を生かしまして、首都圏の中で神奈川らしい魅力ある都市圏の形成を図るということで、現在、検討してございます。




<質疑>
 インターチェンジができれば、流通の大きな拠点ができるとか、大企業の工場が利便性の良さを買って進出をするとか、そのような方向に偏っていく印象があるが、それは念頭にないのか。

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 インター周辺の土地利用のイメージでございますが、実は、私どもも埼玉県ですとか、東京都の事例もかなり勉強してございます。例えば、土地の値段を申しますと、埼玉とかと比べますと、この県央・湘南地域というのはかなり高いと。ある意味、人材等の集積はあるけれども、土地は高いというような状況の中で流通をやるというのが、この都市圏にふさわしいのかどうかということで、これからいろいろと差別化をしていく必要があると思ってございます。
 我々、ツインシティとしては流通業務を全く否定するわけではございませんけれども、先ほど言った神奈川らしい産業の集積を念頭に置いて進めてまいりたいと思っております。




<質疑>
 ツインシティにどのような施設を導入するのか、いろいろ検討していると思うが、県として今後はどのように取り組んでいくのか。
 スケジュールの問題として、まち開きというのが2015年に設定をされているが、平成20年度に線引き見直しがあり、どれぐらいで都市計画決定に持っていき、まち開きに持っていくのか、時間的なイメージも含めて教えてほしい。

<答弁> 環境共生都市整備担当課長
 第二段階の目標とスケジュールのお話だと思いますが、まず、県として広域的に望まれる機能というのは、先ほど申したとおりでございます。一方、まちづくりというのは、実際に地域の方々が自分の土地を出しあってやるということを考えますと、基本的には地元の住民の方ですとか、地元の市町村が中心になった土地利用計画というのが非常に重要と考えてございます。実際に、平塚市側におきましては、住民の方々ですとか地権者の方々が、どんなまちが良いかということを話し合われております。
 ツインシティにおいては、今言ったような広域的な視点と地元の意見を集約し、一つの計画にしていくという作業が今後出てまいりますので、まずしっかりと土地利用計画案を練り上げまして、平成20年度に予定されている線引き見直しで特定保留地区に位置付けたい。その後、実際に面整備という形になりますと、規模によりますけれども、環境影響評価などの手続が必要になりますので、特定保留設定後、比較的速やかに具体の面整備を計画してまいりたいと考えてございます。




<要望>
 特に今回のような大きなまちづくりをしようというときには、なかなか行政が最初にイメージしたとおりには進んでいかないことも多いと思います。地域の住民の皆さん、自治体が、イメージを持ち、大きな計画を推進していくのは、容易なことではないと思います。特に、新幹線の駅が新しくできるとか、インターチェンジができるとかというところは、よほどイメージをしっかり持って、民間の活力に任せすぎると最初に予想もしなかったような施設ができたり、無計画にいろいろなものができるといったようなことも起きてくると思います。
 是非、ツインシティは今後も地元とよく話し合った上で、計画的な取組を進めていただきたい。そしてまた、私もお伺いしたことがあるんですが、どこかお手本になるようなまちというのは既にあるのですかとお尋ねしましたら、ありませんと。今回のこのツインシティを全国のモデルにしたいですというお話もお伺いしました。是非、全国のモデル都市になれるようにこれからも着実に事業を進めていっていただきたいと要望しまして、私の質問を終わります。