■商工労働常任委員会(平成17年9月28日)
<質疑一覧>
 若者の就職支援について
 商店街の活性化推進について
 大学発・大企業発ベンチャー創出促進モデルプロジェクト事業について


<質疑>
 私からはまず若者の就職支援について伺います。
 若者の雇用、新卒者は求人が若干増えて改善経過が見られる。採用が拡大されているということなのですが、いわゆるフリーターになっている若い子たちの就職活動というのは相変わらず大変厳しい状況であるというふうに思うのです。そういった不安定な就労状態が続くと、当然、将来に対して希望を持てない。生涯賃金の差も大変大きくなっておりますし、家庭を築く、子供をつくるどころか、結婚も、また異性との交際すらもできないというような状況があるのだろうというふうに思います。こういった若い人たちが多く生まれているという状況が余り長く続くと当然、日本経済の発展にも大きな  影響が懸念されるところでありますので、このフリーター等の増加防止、またそういった方々の就業支援について、何点からお尋ねしたい。まず若い方々を取り巻く状況について最新のデータを伺いたいと思うのですが、例えばフリーターと呼ばれる人たちの数の推移、失業率の状況、高校卒、大学卒の就職率の状況でございますとか、就職後の離職率の状況について御説明を願います。
<答弁> 雇用対策課長
 フリーターの数につきましては、厚生労働省が労働経済白書で発表してございます。平成16年で213万人でございます。昨年度に比べますと、4万人ほど減少していますが、依然として多くの若者がフリーターというようになっている現状でございます。
 次に失業率でございますが、直近の17年7月の失業率の報告が出てございますが、15歳から24歳は8.3%ということで前年度同期は9.4%でございましたので、1.1ポイント改善をしてございますが、17年7月の全体の失業率が4.4%でございました。まだ、約2倍というような状況で依然として厳しい状況であります。あと、就職状況でございますけれども、今年3月の卒業者で、高校生でございますが、全国で94.1%ということで、前年に比べまして、2ポイント増加しております。ちなみに県内では95.5%ということで、前年に比べますと、1.1%の増加となっています。大学生については、   全国の数字になりますけれども、93.5%でございまして、前年と比較しまして、0.4ポイントの増加というような状況でございます。
 離職率でございます。厚生労働省が13年3月に卒業された方で算出したデータによりますと、就職3年目での離職率でございますが、中学卒で72.3%、高校卒で48.9%、大学卒で35.4%となってございます。いわゆる七五三と呼んでございますが、そういう現象が続いている状況です。




<質疑>
 213万人がフリーターということで、これは一概にフリーターといってもいろいろな形があると思うのですね。文字通り、フリー、組織に入っていない、フリーターってフリーアルバイターでしたか、もともとの言葉が。フリーターという言葉がどういう状態を想像するかということになると、かつてはあえて組織に属さない生き方を選択するという、若干肯定的な意味合いの言葉でもあった、そういうプラスのイメージもないということはなかったというふうに思うのですが、中を見るといろいろだと思うのですよ。実はフリーターという言葉を役所も、国も簡単に使っているのだと思うのですが、やめた方がいいというふうに個人的には思うのです。というのは、もっと正確にしっかり状況を伝える言葉を使わないと、フリーターという漠然とした言葉を使うと、実態が分からないような気がするのですね。いろいろなイメージがあるから、その中に。例えば、あえて組織の中に入ることを拒む人もいれば、本当は正規雇用での就職がしたいのだけれども、なかなかうまくいかない人もいれば、就職、離職も繰り返す人もいるし、また本当に好きな仕事に就くための準備期間というか、そういうために今浪人生活をしている人もいるだろうし、引きこもり同然でたまにアルバイトをやるというような人もいるだろうし、フリーターという一言でくくってしまうと、内容は余りにもいろいろあるために正確な実態がつかめないと思うのです。もっとそういう若い人たちを表現する代替の用語はないのですか。

<答弁> 雇用対策課長
 フリーターにかわるべき呼称というのはありません。
 厚生労働省が14年にフリーターの人たちがいろいろ選択をしている理由を大きく3つにくくって整理をしているのがございますので、御報告させていただきます。一番多いのが、モラトリアム型という方でございまして、46.9%というような割合です。この方は、やりたい職業が見つかるまで猶予期間ということで、そういうのを選択している方。あるいは先の見通しがはっきりしないままフリーターになっている方。正社員でなく、先ほど委員からお話がございましたが自由でいたいという選択をした方が該当するということでございます。
 2つ目としましては、やむを得ず型と申しますのが4割弱でございますが、これまで委員のお話にございましたように、正規雇用を希望しているのだけれども、なかなかそういう職場につけない。あるいは家庭の事情等で学費を稼ぐ必要が生じたというか、何か次の準備のためにそういった稼ぎをするというような。3つ目が夢追及型ということで、13.7%ということでございます。明確な目標を持った上で生活の糧を得るためにフリーターをしているというような、そういう3つの分類をした例がございます。




<質疑>
 かわる言葉はないということで、日本語をしっかり駆使をして今そういう状況になっている若い人たちの実態をつまびらかにできるような、そういう言葉をしっかり考えないといけないというふうに思います。これは感想でございますけれども。
 今、モラトリアム型とかいろいろな型があるということで、厚生労働省で分類をしたということを伺いましたけれども、かながわ若者就職支援センターがございますが、そういうところでは主にどういう思考のどういうタイプの若い人たちが利用しているのでしょうか。

<答弁> 雇用対策課長
 私ども就職支援センターの方ではこれまでに延べ12,000人の方が、カウンセリングを利用していただいてございますけれども、その方々を傾向的に整理、分類してみますと、人とのコミュニケーションが苦手で就職活動に自信がないというような方、自分自身の能力適性が分からない、能力適性に合った仕事が分からないというような方、就職活動そのものの方法が分からない、希望する就職先がございますけれども、就職活動した結果うまくいかなかったからなどが挙げられるかと思います。




<質疑>
 いろいろなタイプの人たちが訪れると思うのですが、それぞれ一人一人に応じたということになると、大変に難しいとは思うのですが、やはり抱えている問題がさまざまであるわけですから、それぞれの若い人たちに応じた就職活動支援が必要になると思うのですけれども、その辺は具体的に、どういったことをされているのか。

<答弁> 雇用対策課長
 先ほど分類をちょっと挙げさせていただきましたけれども、それぞれ違った悩みや考え方なり要望を持ってございます。それぞれに応じた支援が必要であると私ども考えてございます。そういう意味で、まず支援センターなりのモットーといいますか、考え方でございますが、「一緒に考えよう、仕事のことこれからのこと」ということで、利用者一人一人の方に対して、その方の目線に立ちまして、能力や目標に合わせてきめ細やかなカウンセリングをやることで、利用者自身が就職に対するいろいろな悩みを解決して、働くことに意欲を持っていただけるよう支援をしております。
 そういう中で、具体的な就職活動の方法とか、情報の収集が必要だという方には、就業活動支援セミナーというようなものを御用意させていただいて、支援してございます。その就業活動セミナーを卒フリーター就職塾というように呼んでございますけれども、具体的には、コミュニケーションが苦手な方にはコミュニケーションゲームですとか、面接、社会人スキル講座などでコミュニケーション能力や面接時での振る舞い方が身に付くようなセミナーを実施してございます。
 あるいは自分の能力、適性が分からないという方には、就職活動スタートセミナーですとか、就職活動実践セミナーで適性検査ですとか、就職活動のヒントやポイント、あるいは面接等で自分をアピールする力を持っていただくためのセミナーなどに取り組んでいるところでございます。




<質疑>
いろいろなセミナー等で支援を行っているということですけれども、今回、第8次神奈川県職業能力開発計画(素案)を配付していただきました。総務省の統計局の調査で失業者が仕事につけない理由は、やはり希望する種類、内容、仕事がないというのが15歳から24歳までの若い人たちで42.4%ということです。これに対しては、国としてはいろいろ言い分もありますが、前回の8月の常任委員会でもいわゆる職業に対しての意識といったものをちゃんと学校の中でかん養していくということが大事だというような話もありましたけれども、実際に仕事選びということになると、たくさんの選択肢の中から自分が主体的にこの仕事を選んだんだという意識がやはり必要だと思うのです。さっきの離職率の問題もそうですけれども、自分がこの仕事しかないから仕方なく就いたのではなくて、いろいろな仕事の中から、数ある選択肢の中から選んだという意識も必要なのかなというふうに思うのですね。今、いろいろな若い人たちのセミナーというのもお伺いしましたけれども、それと同時に、できるだけ数多くの仕事の就職情報の提供も不可欠であるというふうに思うのですが、そのあたりの取組というのは、実際にはどうなっているのですか。

<答弁> 雇用対策課長
 委員御指摘のとおり、就職情報の提供というのは非常に重要な要素の1つであると考えてございまして、私どもセンターの方では神奈川労働局の御協力をいただきまして、就職情報の自己検索機という、ヤングハローワークに置いてあるのと同じものを置かさせていただいて、求人情報サービスを行っています。それ以外にも民間で出されております就職情報誌ですとか、あるいは新聞などの各種情報の提供を行っているところでございます。また、自分がどのような仕事に向いているかどうか知る1つの手段としてパソコンを使った適性診断を自分で行うことができますので、その結果を使って、就職する先を決定するというのも1つの要素だと思っております。
 このような就職情報のほかに、毎週金曜日でございますが、産業技術短期大学校にございます神奈川人材育成支援センターからスタッフが参って、職業訓練に関係する情報の提供などもしているところでございます。




<質疑>
 さっき離職率のお話をちょっとさせていただいたので、ちょっとつけ加えて質問をしたいのですが、大学卒業者の3年以内の離職率が約3割ということになっていますけれども、これは例えば大企業とか中小企業とかに分けたデータというのは出ているのですか。

<答弁> 雇用対策課長
 厚生労働省の報告では、そこまでは出ていないようです。申し訳ございません。




<要望1>
 それでは、本件について要望させていただきたいと思いますが、フリーターという言葉は余り使いたくないのですけれども、いわゆるフリーター、不安定な就労状況にある若者とでも言えるのだと思いますけれども、そういった方々の増加というのは将来、社会の活力維持でありますとか、経済の発展でありますとか、そういったところに大変大きな影響が出てくるのではないかというふうに思います。
 また、先ほども申しましたけれども、新卒者の雇用情勢は改善傾向が見られているということではありますけれども、就職がうまくいかないでフリーターのような形になってしまっている若者も依然として多いということが分かりました。そうした人たちに対して一人一人、社会人として働く意欲を持ってもらって、また社会の中で活躍できるように、かながわ若者就職支援センターできめ細やかな支援をやっていただきたいというふうに思いますし、また現在もそういう活動をされているというふうに理解いたします。
 しかし、なぜフリーターが増えるかということを考えると、仕事を求める人の問題というよりは、むしろ企業が人件費を削減するために、若い人たちの採用を抑制するとか、また正規雇用よりも非正規雇用という形を企業側が選ぶということも大変大きな原因になっているわけです。パイが同じであったり、また縮小する中で、どんなに若い人たちを指導して、その人は正規雇用を勝ち取ったとしても、その分そこから落っこっていってしまう人たちも当然いるわけで、全体のパイが拡大する、すなわち新卒だけではなくて、例えば既卒者に対しての採用活動も拡大が図られたりとか、またこれは大変難しいことかもしれないのだけれども企業の側にパイの拡大を要請していくことも大事なのだろうなというふうに思います。
 本当に受け皿としての企業が正規雇用者をどんどん減らそうとしている中で、こっちが正規雇用を増やそうとしているわけですから、これは本当に大変なことで、もちろん若者就職支援センター等における就職支援の活動も、今後もぜひ努力をしていただきたいというふうに思うのですが、同時にまた県内の経済団体等とも連携をとりながら、雇用の受け皿の拡大ということに関しても今後ぜひ御努力をいただきたいというふうに要望いたします。




<質疑>
 次に、商店街の活性化推進についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど飯田委員の質問の中にもありましたけれども、やはり地域商業を取り巻く環境というのは大変今厳しい状況にあると思います。郊外に大きいお店がオープンしてみんなそこに車で出かけている。逆に、駅前から大きいスーパー、デパートが撤退をしたりとかという事例も見られます。そういったこともあって、どんどん旧来の商店街のパワーというのは、失われているというか、にぎわいがなくなっているというふうに思います。こうした状況を打開するために、また地域の商店街の活性化を図っていくためにそれぞれの商店街の実情に即した活性化計画が必要になるかと思います。しっかりとグランドデザインを描いた上で、活性化、憩い、にぎわいを取り戻していくために、さまざまな施策を推進していくことが重要だというふうに思うのですがその活性化推進について何点かお伺いをしたいと思います。
 まず、初めに、市街地の整備改善、また商業等の活性化の一体的な推進を図るために、中心市街地活性化法というのが制定されていると思います。この法律に基づいて市町村が定めた中心市街地の区域、そこでは中心市街地活性化基本計画、また商業活性化に関する中小小売商業行動化事業構想というものが策定されています。TMO、タウン・マネージメント・オーガニゼーション、いわゆる中心市街地全体を1つのショッピングモールというふうにとらえて、そこで総合的なマネージメントを図っていくということが策定されるわけですけれども、現時点で県内市町村での取組状況をお聞かせいただきたいと思います。

<答弁> 商業観光流通課長
 今、委員がお話しされたように、中心市街地活性化法は平成10年7月に施行されたわけですけれども、国の指針に基づいて市町村の方が基本計画を策定し、それに基づいてTMOの方でそれを具体的に推進し、構想をつくっていくという段取りになっております。県内の状況でございますけれども、平成11年2月の相模原市の橋本周辺地区から、平成15年3月に策定されました逗子市の逗子駅、新逗子駅周辺地区まで、基本計画としては14市町で16地区策定されております。TMO構想につきましては、このうち13地区が策定されている状況でございます。




<質疑>
 今13地区については、TMO構想が策定されているということでしたけれども、TMO構想策定に当たって県の担う役割また県からの具体的な支援策はどのようになっているのか。

<答弁> 商業観光流通課長
 県の基本的な役割は、市町村TMOごとに取組への助言及び指導でございます。具体的には、公的、専門的観点からの助言、推進体制の整備、それから事業への具体的な支援ということでございます。
 公的、専門的観点からの助言ということでは基本計画の策定時への委員会等への参画、あるいは情報等の提供ということで、TMO関係者の連絡協議会、これはTMO研究会と称していますけれども、そういったものを設けて情報提供しております。
 それから、推進体制の整備ということで、県庁内としては関係部局、例えば県土整備部等といったところを含めた活性化推進協議会を設置して基本計画の助言等を行っておりますし、それから県内市町村やTMO等の連携の調整の場として中心市街地商業等活性化推進会議というものを設けております。また、事業の支援ということでは、中心市街地商業活性化基金ということで、TMO等々が行うソフト事業等に対して助成しております。




<質疑>
 基本計画、またTMO構想に基づいて、各市町村のTMO地帯では、どのような商店街の活性化に向けた取組をしているのか。特に、今どんどん高齢社会になっていく中で、中心市街地の空洞化に伴う課題として、いわゆる交通のアクセスの問題があると思うのですね。周辺住宅地から公共交通を使ってのアクセスが悪いと、当然自家用車を使って街に出る。そうすると、渋滞があったりとか、駐車場の問題があったりといろいろな問題があると思うのですけれども、そういった点での取組もあるのでしょうか。

<答弁> 商業観光流通課長
 TMOへの支援の状況として、例えば計画等を策定するものとか、活性化に向けたイベント等を行うようなもの等、さまざまなものに対して助成できるような形になっていますけれども、今委員のお話がございましたバス等の交通機関を利用して、より購買層を広げるというような試みとしましては、小田原市と茅ヶ崎市の方で中心市街地を回遊するバス運行を実験的に取り組んでおります。
 小田原市でございますけれども、中心市街地に点在している観光拠点をバスで結ぶことで街の回遊性を高め、街歩きや買い物を楽しんでもらおうと、平成13年から春と秋の年2回、土日に実験的にバスを30分間隔で一日乗り放題という形で運行しておりまして、この春の利用実績は、一日平均155人という状況でございます。
 一方、茅ヶ崎でございますけれども、人にやさしいまちを目指し、自転車や公共交通が主役となるといった交通の仕組みづくりの一環といたしまして、コミュニティーバスえぼし号というものを運行しておりまして、これは年間を通してありまして1回100円、30分に1本の割合で走らせておりまして今後は市北部の運行も検討しているというような状況です。




<質疑>
 今、小田原の例と茅ヶ崎の例を教えていただいたのですが、商店会の皆さん、また商工会の皆さんから効果について何か報告はありますか。

<答弁> 商業観光流通課長
 正直申しまして即効性のあるものというのはなかなかそのお話にはありません。




<質疑>
 バスの効果等についてもしあればということでお尋ねしただけですので、なければ結構です。
 小田原の場合、特にまだ春と秋だけの試行ということなので、なかなかまとまった効果というの出ていないのかなというふうに思います。
 今、お話をさせていただいたのは、いわゆる中心市街地に関してでして、そうするとTMO構想とかあるのですが、先ほど言ったように、中心市街地ということで見ると、14市町、16地区ということでかなり限定された地域の話でございました。やはり、中心市街地と呼ばれるところ以外の商店街というのも同じようにこれは大変な状況になっているわけです。そうした一般の中心市街地と呼ばれるところ以外の商店街の活性化、その計画づくりについて、県としてはどういうふうに考えて、またどのように支援していこうというのかお尋ねします。

<答弁> 商業観光流通課長
 私どもとしては、計画策定からすると、事業段階に応じてさまざまな施策を用意してございまして、例えば最初のきっかけづくりといたしましては、地元消費者に商店街を見てもらって、意見等をもらう商店街ツアーの実施、それから今年度から始めておりますけれども、地域県政総合センターが専門家等とともに、商店街の課題等への対応に取り組む地域商店街魅力アップ促進事業ということもやっております。また、事業活性化団体として商店街振興アドバイザーということで専門家の派遣による計画づくりへの助言ということも行っております。それから、イベントとか、ソフト事業の実施ということで、商店街競争力強化基金事業、商店街活性化支援事業、そういったもので支援しています。




<質疑>
 先ほど、飯田委員の質疑に対する答弁の中にもあったのですけれども、いわゆる商店街競争力強化支援事業というのがあると思うのですね。県では商店街支援施策として行っているものなのですけれども、例えば具体的にこういう地域でこういうことをやりましたとかというような事例がありましたら教えていただきたいです。

<答弁> 商業観光流通課長
 この商店街競争力強化基金の事業でございますけれども、これは国から借り入れたお金をもとに、県が運用益と同等の補助をさせていただいて、中小企業センターの方で実施させていただいております。そこでは高齢者の対応事業とか、環境リサイクル事業、計画等の策定事業等といった事業に対して補助してございます。
 具体例ですけれども、今年度の取組で、鶴見銀座商店街協同組合では、ここは医療機関が結構集中しているということもございますので、高齢者のために、例えばクーポン券つきの医療機関用かわら版の作成とか、そういった医療機関でも使えるようなスタンプカードの発行をしておりますし、また、茅ヶ崎商店会連合会の方では商店街元気アップ北側地域基本構想策定事業ということで、買物行動とか商店街のアンケートの実態調査に基づく課題の抽出、それから商店街ごとの魅力を高めての基本構想を策定すると、そういった事業を行っています。




<質疑>
 商店街というのは、いろいろな業種、いろいろな種類のお店が自然に集まってきて、バランスが何となくとれてというか、自然にとれていって形成されてきたものだというふうに思うのですけれども、なかなか商売が立ち行かなくなって廃業などをしてしまうと、そのバランスが崩れて商店街としての魅力も失われていく。何かの業種に偏って存在したり、お店が形成されたりということも起きてくる。商店街としての集客力を高めるために店舗の配置というのでしょうか、例えば生鮮食料を扱うお店がないから、日々の買い物客が見込めないという商店街があるとすれば、そういうお店を誘致するとか、商店街全体をふかん的にとらえて商店街をデザインをしていく、そういうデザインというか、お店の配置等を考えていくというようなことも大事なのだろうなというふうに思うのですが、こういったことに関して、自治体で何かできることというのはあるのですか。

<答弁> 商業観光流通課長
 例えば空き店舗の中の事業としては、テナント・ミックスといいまして、集客するために例えば生鮮三品、最近では魚屋がなくなっていくとか、あるいは八百屋さんがなくなっていくというようなことで、全体の中で不足業種を補う必要があるだろうと、これは計画策定の時点でも計画への支援ということもさせていただいています。実行に移すときの空き店舗の利用ということで、テナント・ミックスということでそういったことの支援をさせていただいています。




<質疑>
 もともと商店街は一軒一軒のお店の集積であるわけですから、どうすれば人が来るのか、お客を集められるのかという、その答えは実は一店一店の力にかかっているというふうに言えるのだと思います。
 小規模な店というのは、大量仕入れができる大型店にはなかなか価格の面では太刀打ちもできないし、品揃えというところでもなかなか難しいとは思うのですけれども、逆に品揃えを専門化したりとかして、ほかのお店との差別化を図ることが必要になってくるだろうと、これは当たり前の話ですけれども、そういう個々のお店に対しての支援というのはどうなのですか。

<答弁> 労政福祉課長
 まず、個々のいろいろな課題に対する支援としましては、中小企業センターの方で総合相談ということで、専門的な相談をさせていただいていることがございます。それ以外に私どもの方としてはやる気のある中小企業に具体的に支援するということで、例えば今年度から社団法人神奈川県商店街連合会を通じまして、商店街の核となる魅力的な店舗づくりを支援するということで、商店街店舗づくり支援事業ということを発足させていただいております。
 具体的には、毎日のようにお客さんに来ていただくということで、ターゲットとして今回は惣菜屋さんに絞らせていただきましたけれども、今年度につきましては、横浜弘明寺商店街、川崎の梶ヶ谷駅前通り振興会、伊勢原の中央通り商店街の3つの惣菜店について商品構成、販売戦略、それから接客等のソフト面との対応とか、店づくりといったところにアドバイスをしていくということで、今、進めているところでございます。




<質疑>
 幾つかの商店街のお惣菜屋さんというのは、既に品揃えだとか、そういったことに関しては一定の方向性が出て、もう実際にそういうお店になっているのですか。

<答弁> 商業観光流通課長
 現在やっているということで、てこ入れすればより繁盛するだろうというような観点で選ばせていただきました。商店街連合会の方で推薦いただいて、選んだというような状況でございます。




<質疑>
 お店づくりというのは、今、進めているということですか。

<答弁> 商業観光流通課長
 今、進めている状況でございます。




<要望2>
 それでは、商店街の活性化推進について要望させていただきます。
 商店街の活性化推進のためには、いわゆる中心市街地に限らず、専門家の助言等を受けながら活性化に向けた計画づくりが不可欠であるというふうに考えています。
 拠点といいますか、いわゆる一つ一つのお店の集積が商店街であるという点から、これは当然ですが一つ一つのお店が力をつけていく必要もあると思います。特に、小規模なお店は先ほど申しましたとおり、大量仕入れが可能な大型店に対して価格という面では到底太刀打ちはできませんので、ターゲットの効果でありますとか、またアフターサービスでありますとか、いわゆる個人商店のプレミアムを打ち出していく必要があるのではないかというふうに思います。
 こうした商店街と一個一個のお店という両輪がしっかり回っていくために、これからも県としてしっかりとした支援を引き続きお願いをしたいと思います。




<質疑>
 大学発・大企業発ベンチャー創出促進モデルプロジェクト事業についてお尋ねします。
 今回もさまざま数字の報告がありました。最近、県内の景気も設備投資、また住宅投資ともそつがない推移というのがあって、回復基調である。例えば、これから経済のグローバル化が進展して、新しい技術がどんどん開発されていくということでますます企業間の競争というのが激しくなっていくというふうに思います。また、そういった競争力の高い企業の創出というものが待たれる。そういった中で神奈川県として10件、大学発・大企業発の創業案件についてモデルプロジェクトとして採択したというふうに聞いています。また、それに関して支援を行っていくというふうにも聞きました。これについて関連事項も含め、数点お伺いしたいというふうに思います。
 まず、なぜこれが大学発・大企業発ということで限定をしたのかということについてお伺いしたいと思います。

<答弁> 産業活性課長
 一般的なベンチャー企業の創出促進につきましては、神奈川中小企業センターを中心にいたしまして進めているところでございますけれども、今、委員のお話にもございましたように、これは総合計画の方でも目指すというところでございますが、新産業の創出をけん引していくような競争力のあるベンチャー企業を創出していくというためにはさらに特段の取組が必要と考えていたところでございます。本県には理工系大学、民間企業の研究所、公的研究機関等が多数立地しており、研究者、技術者の数も全国第一位ということでございます。こうしたポテンシャルがありますので、それを活用いたしまして、競争力の高いベンチャー企業の創出を図っていくということが可能でありますし、また必要なことだと、そういうふうに認識をいたしまして、大学発ベンチャー、大企業発ベンチャーに特化いたしました支援事業を展開していこうということでございます。




<質疑>
 この事業の目的とか特徴とか端的に教えてください。

<答弁> 産業活性課長
 この事業の目的でございますけれども、技術力ですとか、ビジネスモデルなどにつきまして、競争力を持った高付加価値型のベンチャー企業の創出を行うと、これが目的でございます。
 事業の流れといたしましては、大学や大企業の研究成果を活用いたしました事業化プロジェクトを公募いたしまして、その中からモデルプロジェクトをピックアップし、そして支援するということでございます。特徴といたしましては、2点ございまして、今申し上げましたように支援対象を大学発・大企業発の研究成果の事業化案件にしているということ。
 それから2つ目が各プロジェクトに事業化支援パートナーということで、ベンチャーキャピタルですとか、インキュベータとか、こういったノウハウを持っている機関をつけまして、そのパートナーに支援業務を委託する形でございますけれども、そういう形で支援を進めていくと、こういう形態をとっているということでございます。




<質疑>
 今年度、この採択案件が10件というふうにお聞きしましたけれども、どういった審査を経て、またどういった案件が今年度採択されているのか、また応募状況がどうなっているのか併せて教えてください。

<答弁> 産業活性課長
 応募状況でございますが、4月末から1箇月間公募を行いました。28件の応募をいただきまして内訳が大学研究機関16件、大企業10件、その他2件ということになっております。
 審査でございますが、書類選考と目利き委員会による面接選考、この2段階で行っております。書類選考につきましては、事業計画の熟度、あるいは信頼性、それから今後の成長性と、こんなことを公認会計士、あるいはベンチャーキャピタルの関係者、こういった方々によって書類上での審査を行いました。併せて、技術的な案件が多くございますので、産業技術総合研究所で技術、特許の申請、それから開発製品、システム、優位性、こういったことにつきまして技術評価を行っております。
 2段階目の目利き委員会での面接選考でありますが、既にベンチャー企業を創業して成果を上げている方、あるいはベンチャーキャピタルの関係者、それから技術評価の専門家、こういった方々に委員になっていただきまして、事業提案者の方からプレゼンテーションを行いまして、質疑応答を行うと、こういうことで、市場性、それから提案者自身の熱意とか、人間性も含めまして総合的に評価を行いまして、10件を採択したと、こういう過程であります。
 案件の内容でありますけれども、基本的には大学の研究成果、あるいは企業の研究所での研究成果、そういったものを活用いたしまして、大企業ではなかなか事業化しにくい案件が多くございますけれども、そういったものの事業化を図っていくというものが多くございました。




<質疑>
 先ほど、大学研究機関が16件、大企業が12件というふうにお聞きしたのですが、それでよろしいですか。

<答弁> 産業活性課長
 応募の方で大学研究機関発が16件、大企業発が10件、その他、これは個人的なアイデアで、個人的に応募された方でありまして、2件ございました。合計で28件であります。審査の結果、10件採択したわけでありますが、その内訳といたしましては、大学発が6件、それから大企業発が4件と、こういった結果になっております。




<質疑>
 合計10件採択をされたわけですけれども、この事業の具体的な支援内容というのはどうなっているのか、またこの事業でどのような段階の案件を支援対象と考えているのか、併せて教えてください。

<答弁> 産業活性課長
 具体的な支援内容でございますけれども、先ほど申し上げましたように、支援パートナーを決めまして、支援業務を委託すると、こういう形でありますが、その内容といたしましては、市場調査、特許調査、それからビジネスプランの策定、さらには会社の設立に向けまして経営体制の確立、こういったことにつきまして、支援パートナーが持っておりますノウハウを確認いたしまして支援をしているという内容になっております。
 事業の支援対象といたしましては、研究開発に一定の目途がつきまして、その成果の事業化を目指す段階、こういう段階を想定してございます。




<質疑>
 募集期間が今回1箇月足らずだったということで、その間に28件の応募というのは、よく集まったなという感想を持っているのですけれども、17年の4月25日に記者発表を行っていますが、それ以外に募集に関してどういう広報活動を行ったのでしょうか。

<答弁> 産業活性課長
 1つは、説明会を開いてございます。大学、大企業、それからベンチャー企業、そういった関係の皆様方に集まっていただきまして3回説明会を開催してございます。
 そのほか県内の主な大学、それから会社側の社員からベンチャー企業を輩出することについて非常に理解のある企業、大企業がございますので、そういった大企業、あるいは金融機関とか、監査法人とか、そういった情報に接しているような機関、こういったところを個別に訪問いたしました。そういったところから案件の発掘を行ってきたと、こういうことでございます。




<質疑>
 今回のこの事業で、具体的にどういう案件が採択されているのか、その特徴的なものがあれば御紹介願いたいのですけれども。

<答弁> 産業活性課長
 特徴的な案件を御紹介させていただきます。
 大学発のケースで申し上げますと、国の独立行政法人でありますが、科学技術振興機構からの研究開発補助事業を受けて、ある大学で研究開発を進めていると、国の補助制度というのは、通常3年間こういった形で資金的な支援があるわけでありますが、3年間研究をやりまして、成果が出てきたということで、それを事業化したいという結果がございました。内容的には、流体の挙動を三次元で迅速かつ高精度で解析するという事業化であります。この技術は流体の挙動を把握するということでありますので、自動車、家電、それから医療機器、医療機器の場合は例えば血流の流れに活用できるわけでありますが、こういった分野で活用できる技術でございます。非常にこういった関係のメーカーにとりましては研究開発のコスト削減にも寄与するといったようなことがございまして、この事業化を図ろうということであります。
 それから、大企業発の方で御紹介いたしますと、小型ディスクに高精度、高密度に情報を書き込む技術という案件が出ております。これは、親元の企業、これは電気機械のメーカーでございますけれども、こちらの方では企業の規模が大きくて、事業化になじまないという扱いになっていた技術でございます。研究者が独立いたしまして、事業化をしていこうと、そういった決意をされたというケースであります。
 特徴的なものは以上でございます。




<質疑>
 今、特徴的なものを御紹介いただきましたけれども、そうやって選ばれた10案件ですね、そのうち今まで実際に生まれた成果があれば教えてください。

<答弁> 産業活性課長
 事業を開始いたしましたのは、実際に7月から支援パートナーを具体的につけまして、事業を展開してございます。現在までの成果でございますが、この間、会社の設立にいたりましたのが、大学発で2件ございます。それから近々12月でありますが1件、また会社ができると、こんな予定になっております。10件中の3件が会社を設立するということであります。
 それから、試作品の開発に着手したケースでありますが、これは試作品というのが資金調達ですとか、会社を設立していくために非常に重要な要素になってくるわけでありますけれども、この試作品の開発にもう入っているものが1件、それから着手したというのが3件、合計で4件とこんな状況になっております。




<質疑>
 割と迅速に着手されているなという印象を受けました。こういった事業、特に大学発ベンチャーというのはこれまでも動き等がありますけれども、大企業発ベンチャーを対象としたものというのは、ある意味で神奈川県の立地といいますか、そういう特徴を生かしたものだと思いますけれども、これはほかの都道府県でもこういった例はあるのですか。

<答弁> 産業活性課長
 大学発につきまして、委員御指摘のとおり、大阪府等々が取り組んでいるところでございますが、私どもが承知している範囲では大企業発のベンチャーの支援に取り組んでおる県は本県のみというふうに認識しております。




<質疑>
 先ほど記者発表と説明会というふうにおっしゃっていましたけれども、こうした活動について例えば県として広報活動に力を入れていけばいいのになというふうに思うのですね。県で、tvkにつくらせている番組とかに限らず、いろいろこういった試みについて取材を逆にしてもらう、させる、そういうことでどんどん広く知らしめていくということも考えられると思うのですけれども、そういった方策は検討されているのでしょうか。

<答弁> 産業活性課長
 この事業の推進に当たりましては、今年度内に2回ほど中間報告の機会を設けることにしてございます。この中間報告によりまして、進ちょく状況を確認するということでございますが、その結果として非常に成果が見えてきたというケースが出てくると思っております。そういった機会をとらえまして記者発表等を積極的に行ってまいりたいと考えます。
 また、年度末にはこの10社に集まっていただく形になろうかと思いますが、報告会、そういう取りまとめの会を開きたいと思っております。そういったものの開催を通じまして、個々の企業と、それから県の取組、その両方をよく認知していただきたい、広くお伝えしていきたいと考えております。




<質疑>
 いろいろ企業秘密とか、研究の中身を余り早い段階で出さないというようなこともあると思うのですが、メディアを活用するというのはやはり難しいのですか。

<答弁> 産業活性課長
 先ほど委員のお話の中にもありましたようなtvk、これにつきましてはいろいろお願いする機会がございますので、活用は十分可能だと思っております。ほかのメディアの活用でございますけれども、私どもいろいろな形でこういったベンチャー企業の支援、そういったものに携わっている方たちとのネットワークといいますか、つながりがございます。そういった方の中にはそういったメディアとのつながりを持っていらっしゃる方が多々いらっしゃいます。そんなところも活用しながらいろいろな媒体でPRを進めていく取組をしてまいりたいと思っております。




<質疑>
 是非、積極的に取り組んでいかれたらよろしいかと思います。大企業本体の事業として研究の成果が日の目を見るというのは本当にごく一部だろうと、大半が埋没するというか、企業の中で日の目を見ずに終わってしまうというものがあるわけで、大変これはもったいない話です。そういった大企業のシーズを神奈川で活用していくというのは大変意義があるということだと思いますし、そういう発想も必要だと思いますが、神奈川としてどのように考えていらっしゃるのですか。

<答弁> 産業活性課長
 これは、平成13年の研究産業協会という団体のアンケート調査でございますが、技術開発力に関する企業アンケートをやっておりまして、大手企業において事業化に至らなかった研究開発テーマ、そういったものがあるという企業が76%ございました。この76%のうち、研究テーマをどう取り扱ったかということでございますが、社内で眠らせているというのが68%と、こういう結果になっております。企業の中に死蔵されてしまっていると、こういう現状が見てとれます。
 大企業のこうした技術シーズを有効活用する方法といたしましては、1つは大企業から中小企業の方に技術移転をしていくということでございます。これにつきましては、別途県の方でも大手企業と中小企業とのマッチングをしていくという取組をすすめています。また、2つ目の方法として、大企業の研究に携わっている研究者が自らベンチャーをたち上げるということでございます。大学発・大企業発ベンチャー創出促進事業が正にこの観点にたった事業でございます。インベスト神奈川等によりまして大企業の研究所をさらに集積しようと思っておりますので、神奈川県の知的資源というふうに位置付けまして、それの積極的な活用を図ると、その一端として大企業発のベンチャー、これの支援があるのだという認識でおります。




<質疑>
 大企業発ベンチャーというものに対しての大企業側の、企業側のスタンス、動向というのはどんなものがあるか関心があるわけですが、またベンチャーを社内から社外に出していくということについて、先ほど研究成果がデッドストックになってしまっているのは76%のうち68%であるという説明もありましたが、大企業としてのメリットというのは、企業側はどういうふうに感じているのでしょうか。

<答弁> 産業活性課長
 大企業側の動きでございますが、経済同友会、経団連、こういった団体におきまして研究成果が事業化されないと、こういう事態も踏まえまして、大企業発ベンチャーの活用は有効であるという認識を持っていらっしゃるようであります。
 会員企業の社員、これは具体的には研究者が多いと思いますが、それを対象といたしました起業フォーラム、こういったことを実際に開催をしてございます。それから、企業側は、ベンチャーを立ち上げて、大企業発のベンチャーを創出しているといった展開についてどういったメリットを考えているかということでありますが、こうした大企業の現時点での事業化のベースでいきますと、なかなか取り上げにくい技術といったものが多いわけでありますけれども、独立したベンチャー企業として事業化をしていき、将来的にはその技術が非常に親元の大企業にとっても有用なもの、あるいは活用できるものといった形になってきた場合には、将来的にこのベンチャー企業と業務の提携をしていくと。リスクを一たん切り離すような形でありますが、ベンチャー企業として一たん外に出して、そこで形が見えてきたところで改めて業務提携とかいろいろな形での連携を考えているというような姿勢のようでございます。
 したがって、大企業発のベンチャーの中には資金面ですとか、人材の面で実際に支援をしているというケースもあるようでございます。




<質疑>
 この事業は、大学または企業がその研究成果やノウハウを活用するために事業化支援パートナーに支援の委託を行っていくということで、重要であると考えていますけれども、さまざま事業が進んでいくに伴って課題とか障害が発生することも当然予想されるわけです。そういった状況に対して県として今後細かくバックアップしていく必要があるのだろうというふうに思いますが、どういう対応を県として行なうのか伺いたいと思います。

<答弁> 産業活性課長
 ベンチャーが創業前の準備を進め、また具体的に創業していくというプロセスの中では、いろいろな課題に直面するということが想定できます。こういった課題につきましては、一般的には技術的な課題など、いろいろな課題がございますけれども、専門家によるアドバイスがまず重要かと思っております。そういう体制を整えておりますので、アドバイスを行っていきたいと考えております。これに加えまして、ベンチャー企業の場合、特に必要とされる支援といたしまして、2つほどあるかと思っておりまして、1つが資金調達でございます。この資金調達につきましては、県が音頭をとらせていただきまして、いろいろな投資会社に御協力いただきまして、かながわベンチャー応援ファンドということでベンチャーファンドを既に3つ立ち上げております。資金量が120億円というところまで来ております。このベンチャーキャピタルがあるわけでありますので、それとの引き合わせといったことを積極的に進めてまいりたいと考えております。また、実際にこういったファンドによる大型の出資ができるまでの間の運転資金的な問題も当然発生するかと思います。そういったことにつきましては、スタートアップ融資というのが制度融資にございますので、それの活用も促してまいりたいと思っております。
 それから、もう一つ、大きな課題としては、知的財産の関係、特区の関係でございます。こういったところにつきましては、県の方で専門家により構成されました支援チームでそのベンチャー企業の知財戦略を策定していくと、それをサポートするという体制が既に整っております。こうしたものの活用も促してまいりたいと思います。さまざまな課題につきまして、こういった形で支援をしていきたいと考えております。




<要望3>
 神奈川県には理工系の大学の学部、そして公的研究機関、企業の研究所、インキュベータも集積しています。こういった利点を積極的に利用した、いわゆる高付加価値型ベンチャーをつくり出していくということが神奈川県の産業活性化のかぎを握っていると言えるのだと思います。これからも大学、また産業界との連携を一層強化をしていただきまして、先端的な研究開発成果の事業化の促進と高付加価値型ベンチャーの創出促進、そしてまた資金調達の支援の多面的な支援を行っていただいて、競争力の高いベンチャー企業の創出、促進を行っていただきたい。また、こういった事業の広報活動につきましては、メディアを積極的に利用していただいて、そういった面からの後押しもしていただきたいというふうに要望いたします。