■防災警察常任委員会(平成17年3月3日)
<質疑一覧>
 石油コンビナート地区における防災対策について
 警察官とくらし安全指導員の増員について


<質疑>
 一昨年の9月のことでしたけれども、北海道の十勝沖地震で苫小牧市の石油タンクが全面火災するという大変な事故が発生いたしまして、神奈川県でも去年の12月にJFEスチール(株)東日本製鉄所川崎地区で爆発が発生いたしました。この事故では幸いけが人もなかったようでございますけれども、最近石油コンビナートの地区でいろいろな事故が増加をしているというふうに伺っております。神奈川の石油コンビナート地区には多くの石油タンク、そしてまた先ほど藤間委員の質疑の中でも出てまいりましたけれども、高圧ガスの施設などが立地しておりまして、大規模な災害が起きた場合、事業所の被害はもとより、周辺地域にも大きな影響を与えかねないということがあると思います。
 先の2月定例会本会議で我が党の金子議員が代表質問をさせていただきましたが、苫小牧市の事故をきっかけに石油コンビナート等災害防止法の改正が行われ、その改正を受けて神奈川県の平成17年度の新規事業として防災アセスメント調査を実施するという知事からの答弁がありました。これらに関連をして石油コンビナート地区における防災対策ということにつきまして何点かお伺いいたします。
 まず初めに、一昨年ですが、名古屋市の石油コンビナート地区にありますエクソンモービル(有)名古屋油槽所で死者6人を出すという火災が発生いたしました。先ほども申しましたとおり、最近事故が大変多くなっているという印象を持っているわけですが、全国の事故発生状況についてまずお伺いしたいと思います。そして、この神奈川県ではどうなのか。さらに石油コンビナート地区で発生する主な事故の種類でありますとか、またその原因でありますとか、そのあたりについてお伺いをいたします。

<答弁> 防災消防課長
 まず、全国の事故の発生状況でございますけれども、平成15年1月から12月までの総件数で161件、前年より40件ほど増加して、このうち28件が十勝沖地震によるものでありまして、それを除きますと133件で、前年に比べて12件の増加ということでございます。地震以外による事故の発生件数の推移によりますと長期的には減少傾向でございますけれども、平成6年以降増加傾向にあります。
 本県の事故の発生状況でございますけれども、平成16年1月から12月までの経過ですが20件となってございます。幸いなことに大きな事故につながっておりませんけれども、平成16年度の件数が平成15年の17件と比べまして増加しており、ここ10年の間では最も多い数になってございます。事故の種類といたしましては火災とか爆発、重油、高圧ガス等の漏えい、そういったものが主なものでございます。昨年本県で発生した20件のうち火災は6件、爆発が1件、漏えいが13件、そのような状況になっております。
 事故の原因でございますけれども、設備の構造不良、破損、劣化、そういった物的な要因と、それから点検不良、誤操作、確認ミス、そういった人的要因に分けられますが、昨年の20件のうち物的要因によるものが10件、人的によるものが9件、両方にわたっているものが1件、そんな状況になってございます。
 こうした事故に対しましては、今後こういった事故が起こらないよう事業者に対応策を報告させるとともに、現場の調査も行いまして指導しているところでございます。




<質疑>
 そうした事故対策としてそれぞれの市の消防などによる規制とか指導とかが行われていると思うんですが、神奈川県が直接的に規制や指導を実施しているということはあるんでしょうか。

<答弁> 防災消防課長
 石油コンビナート地区の事故や防災の対策は、石油コンビナート等災害防止法、それから高圧ガス保安法、消防法、この三つの法律に基づいて実施しているわけですが、関係市の消防本部では消防法に基づきまして危険物の関係の規制指導を行っておりまして、県におきましては石油コンビナート等災害防止法に基づきまして石油コンビナート等防災本部を設ける、あるいは防災対策の基本となる石油コンビナート等防災計画を策定する、それから関係市消防本部と合同立入検査を実施する、そんなことも行って総合的な防災対策を行っております。また高圧ガス保安法に基づきまして高圧ガス施設の許認可の保安指導を行うとともに、施設の耐震対策などの指導も行っています。




<質疑>
 今御説明いただきました中での高圧ガス保安法による規制というのもあると思うんですが、それはどういうことでしょうか。

<答弁> 工業保安課長
 高圧ガス保安法は、高圧ガスによる災害防止、公共の安全を確保するというものが基本で、高圧ガスの製造、貯蔵、販売、移動、輸入、消費、廃棄など、そういった様々な面で安全確保のための様々な基準手続を定めておりまして、事業者に対して許可ですとか、届け出等の義務を課すといった規制を加えております。
 具体的に例を挙げますと、例えば新たに高圧ガスの製造事業所を設置したり、既存のプラントの増改築を行うといった場合には知事による施設設置の許可が必要となっております。県では、事業者から申請のあったプラントが法令で定める技術基準に適合しているかどうか、これに適合しているときは許可をいたしまして、また施設が完成した時点で完成検査を実施いたしまして、申請どおりに施設が設置されたことを実地に確認をするといったことを行っております。また、こうした許可手続を得て設置されたプラントが許可時の基準どおりに維持管理されているかどうか、これについては年に1回実施いたします保安検査により確認を行いまして、必要に応じて是正措置を講じるなどの指導を行っているところでございます。




<質疑>
 今いろいろ御説明いただいた様々な高圧ガス対策など、それは県が行っている事業と考えてよろしいんでしょうか。

<答弁> 工業保安課長
 高圧ガス保安法の今申し上げた事務の関係は、神奈川県が行っております。
 なお、そうした法令に基づく許認可、検査指導に加えまして、県独自での基準実施等を策定していろいろ細かな指導も行っているところでございます。




<質疑>
 今の高圧ガス対策業務、そして石油コンビナート地区の防災対策は非常に緊密な関係にあると考えられるわけですけれども、今後の両者の業務の連携については考えていらっしゃいますか。

<答弁> 工業保安課長
 石油コンビナート地区の防災対策につきましては、これまでも石油コンビナート等災害防止を所管しております防災消防課と高圧ガス保安法を所管しております工業保安課が連携を図りながら取り組んでまいりましたが、来年度からはこの石油コンビナート地区の防災対策を強化していくために、こうした二つの法律を一元的に工業保安課の方で取り扱って事務を進めることとしてございます。
 また、これによりますメリットとしては、私ども3点ほどあると考えておりまして、一つは工業保安課には高圧ガス保安の関係で専門的な技術、知識を持っております技術職員がおりますので、工業保安課でこういった石油コンビナート関係を行うことによりまして、事故発生時等にそういった専門性を生かした的確な対応ができるのではないか、あるいは事業者に対しても技術面からの指導といった面も取り組めるのではないかと考えております。
 2点目は、工業保安課で一元的に行いますことにより、立入検査等は今まで防災消防課と工業保安課でそれぞれ関係職員が合同で行っておりましたが、総合的に工業保安課の方で行うということで、事務の効率的な執行にもつながり、総合的な観点で実施ができると考えております。
 3点目は、コンビナート事業者の側から見ますと、各種申請手続等、県の窓口が一本化されるということになりますので、事業者の利便性も向上するのではないか。
 こうしたメリットを生かしまして、石油コンビナート地区の総合的な防災対策の強化に取り組んでまいりたいと考えております。




<質疑>
 先ほど本県での事故の原因として物的なもの、また人的なもの、大体同じぐらいの数というお話もございました。平常時であっても、そういう事故が発生してくる危険性というのは当然あるわけですが、先ほどの十勝沖地震の話ではございませんが、この神奈川県も東海地震でありますとか、神奈川県西部地震でありますとか、そういった大規模地震の発生によって大きな被害を受けるという懸念も当然あるわけです。このコンビナート地区で起こる可能性のある、大規模な災害を想定した防災対策も当然必要になってくると思うんです。この防災アセスメント調査については、先日の代表質問に対しての知事の御答弁では、各事業所の石油、高圧ガス及び劇毒物事故災害の発生確率や地震によるスロッシング被害などの危険性とこれらの影響範囲を調査、予測し、総合評価する、いわゆる防災アセスメント調査を実施してまいりますというようなお話であったんですが、それがどのような施設の事故災害を対象に実施されるのか、その考え方についてお伺いをいたしたいと思います。

<答弁> 防災消防課長
 石油コンビナートの防災アセスメント調査は、発生する可能性のある災害の種類、それから規模、影響等を把握して災害の危険性を総合的に評価しようと、こういうものでございます。この調査に当たりましては消防庁が策定しております石油コンビナートの防災アセスメント指針に示された実施手順に基づきまして実施していくものでございます。対象となる施設は本県の京浜臨海地区、根岸臨海地区、久里浜地区の三つの石油コンビナートの特別防災区域の事業所で可燃性物質や毒性物質を製造、貯蔵、処理しております危険物施設、ガスタンク、プラントなどを対象として調査を実施していくことと考えております。調査で想定する災害といたしましては、今委員のお話にもあったように、平常時と地震時の二つのことがありますが、平常時については火災、爆発、漏えいといった事故を想定しまして、地震時にありましては地震動によります災害、それから液状化、スロッシング、そういった災害を想定して、具体的な災害想定を行っていくものでございます。




<質疑>
 その防災アセスメント調査で具体的にどういったことを調べるのか、また評価の内容なんですが、そのあたりもお聞きしておきたいです。

<答弁> 防災消防課長
 このアセスメント調査では、平常時あるいは地震時のそれぞれの場合に事故がどのくらいの頻度で発生するのか、そして事故が発生した場合に被害程度がどのくらいになるかということを推定していくことになります。例えば災害がどの程度の確率で発生するかというものをまず推定をいたします。それから、災害が発生したときの被害の程度を、影響範囲の広さあるいは死傷者の数といったような計量的なものを次に推定いたします。次に、災害が石油コンビナート地区やその周辺地域に与える影響は個々の施設の位置とか、取り扱う物質によって異なりますので、発生確率に基づいた被害の計量的な推定に基づいて、個々の施設について災害の影響の評価を行います。さらに、個々の施設の評価に加えまして石油コンビナート地区としてどのような災害がどの程度の頻度と影響、規模で発生していくのかという地区全体としての評価を検討していくことになります。こういった総合的な災害評価を受けまして、どのような防災対策を講じていくのかということの検討に入っていきます。そういう流れになっていくものと思っています。




<質疑>
 平成17年度、またそれ以降も続くんだと思うんですけれども、防災アセスメント調査のスケジュール、それとその結果を今後の石油コンビナート地区の防災対策にどういうふうに活用していくのか、お伺いします。

<答弁> 防災消防課長
 防災アセスメント等の実施事業は、平成17年度から平成18年度の2箇年で実施する予定になっております。1年目であります平成17年度は、まず対象施設の基礎データを収集しまして、発生する可能性のある災害の想定、発生の危険と影響度などの災害想定をそろえまして、平成18年度には、この想定結果を分析しまして本県における防災対策について具体的な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 調査の結果の活用でございますけれども、この調査による災害想定を受けまして、石油コンビナート地区の防災対策について定めております石油コンビナート等防災計画を修正するとともに、石油コンビナート等防災本部の機能の充実あるいは石油タンクの耐震化でありますとか、広域対応体制の充実、整備などの具体的な事業を進めていきたいというふうに考えております。




<質疑>
 先ほどの御説明にもありましたが、神奈川県の石油コンビナート地区は事故が非常に増加傾向にあるというお話でした。また、大地震の発生で石油タンクのスロッシング被害も心配されるということでした。さらには京浜臨海地区の石油コンビナートというのは、すぐそばを高速道路も通っている、また重要な港湾もあるということで、一方では交通拠点に位置しているわけです。考えれば考えるほど災害の発生防止から初動期、そして不幸にして大規模災害になった場合、適切な対応を行えるよう総合的な防災体制を充実させていくということが急務であるというふうに考えます。
 平成17年度から防災アセスメントを実施するということでありますけれども、神奈川県の地域特性に応じた石油コンビナート地区の総合的な防災対策強化に向けて一層の御努力をお願いしたいということを要望いたしまして、警察本部関連の質問に移りたいと思います。
 警察本部関連でございますが、私から警察官とまたくらし安全指導員の増員について、お伺いをいたします。
 警察官の増員につきましては、午前中のしきだ委員も取り上げられたことでございますけれども、私からはまた角度を変えて、また質問をさせていただきたいと思います。
 平成17年度の警察官は240名増員ということでございまして、1万4,936人になるということで、警察官一人当たりの人口負担は579人、これは平成13年度から毎年360人から240人規模で増員がなされてきたわけです。その結果、平成12年度は1万3,416人だった条例定数が1万4,936人になるということですが、その間、神奈川県の人口にも変動がありました。この間の警察官一人当たりの人口負担はどのように推移してきたのか、教えてください。

<答弁> 警務課長
 本県では平成13年度から平成17年度まで5年連続で増員の要請がなされまして、平成17年度の予算で御審議をお願いしております240名が承認されました場合につきましては、合計で1,520名の警察官の増員になる予定でございます。増員されました平成13年からの人口の負担率の推移でございますけれども、平成13年は612人、平成14年は600人、平成15年は591人、平成16年は585人、それから先ほど委員がおっしゃいましたように、平成16年11月末の874万人の人口で、増員されました240人を加えますと暫定的でありますけれども平成17年においては579人という人口負担の推移でございます。平成13年からこの579人までの数値の変動を見ますと、612人から約33名の負担軽減になったという状態でございます。




<質疑>
 今御説明にもありましたけれども、徐々に人口負担というのが軽減されているにもかかわらず、体感治安が悪化している。また県民の皆さんが、空き交番の解消でありますとか、パトロールの強化でありますとか、捜査力のアップでありますとか、いろいろなことを切望されて、その結果、警察官の増員というものをさらに望んでいるのであると思うんです。この警察官の増員というのは、国の胸先三寸という要素の大きい中で、我々議会も含めて県が一丸となって推進してきたところでもありますけれども、一体県警としてはどこまで増員を図りたいというふうに考えていらっしゃるのか、それはいま一つ具体的に私たちも見えないところがあるんです。それで、人口負担という視点では、例えば警察刷新会議の緊急提言で示された500人という一つの目安があると思います。また、警察では9大都道府県の平均ですとか、警視庁、あるいは大阪府での人口負担というのも当然データとして持っていらっしゃると思うんですけれども、そういったデータを比較したときの神奈川県の警察官の人員の過不足というのは、どういう状況に置かれているのか、御説明いただきたいと思います。

<答弁> 警務課長
 まず最初に、警察官の増員数でございますけれども、当面県警といたしましては平成12年の警察刷新会議で、一人当たりの人口負担は500人ということを示されましたので、暫定的な先ほどの数値579人と申し上げましたけれども、この数値をもとにいたしまして、500人を達成するためには約2,300人が必要だということで考えております。当面は一人当たり500人ということで、2,300人を目指して頑張りたいと考えております。
 全国平均の人口負担は518名ということでありますけれども、これに対しては約1,700人が不足していることになる。あと9大都道府県ということでは、これは人口500万人以上のところでございますけれども約3,800人。警視庁の人口負担は294人になるわけですけれども、これですと約1万4,000人。大阪府警の人口負担は421人ということですので、大体約5,600人の人員が必要だということでございます。




<質疑>
 他の大きな都道府県と比べて、やはり神奈川の警察官の人員はまだまだ不足しているのかなというようにも思いますが、例えば今の人口負担というのは、あくまでも一つの指標から逆算をした数字だと思うんです。本来必要な人員というのは業務ごとにち密な計算を行って、それに基づく積算によってはじき出されていかなくてはいけないと思います。そうした警察の中のある種の内なる実情から、今県警察としてこれだけの人数は欲しいんだというのは、果たしてどれぐらいの数になるのか、是非教えていただきたい。

<答弁> 警務課長
 県警では、先ほど申し上げましたけれども、当面の目標は警察官一人当たりということで500人規模ということを考えておりますけれども、昨年も議会並びに県当局の御理解を得まして増員を国に働き掛けていただいておりますほか、県警としても独自に増員の要望を行っております。この中で6本の柱を立てまして増員の要望を行っておりますけれども、昨年は平成17年度の増員要求分ということで約2,500名の増員の要望を出しております。
 それで、柱といたしましては6本ございますけれども、一つ目は地域に根差した警察活動の推進ということで、この中には交番体制の機能強化だとか、パトカーの警ら体制の強化だとかがあります。二つ目といたしましては、県民生活に不安を与える犯罪の対応ということで、この部分については組織犯罪だとか、少年犯罪だとか、ストーカーだとか、もろもろの重要犯罪だとか、こういう部分でございます。三つ目につきましては、組織的な犯罪に対応するための捜査体制の確立ということで、今回組織犯罪対策本部の設置をお願いしておりますけれども、来日外国人犯罪の関係だとか、銃器薬物の関係、こういうものでございます。次に四つ目といたしまして、変化する警察体制の対応ということで、この中にはサイバー犯罪の捜査体制あるいは国際テロの関係です。五つ目といたしましては、交通の安全と円滑を図るための体制強化ということで、これにつきましては交通事故の防止のたぐい、あるいは暴走族、交通事件捜査の体制の強化です。最後に六つ目になりますけれども、犯罪の防止に対応するための警察基盤の整備ということでございまして、これにつきましては第11条の管理業務の体制の強化、被害者対策の強化ということで昨年は約2,500名。平成15年につきましては平成16年度分ということで2,600人を増員要望しているということでございます。




<質疑>
 大体毎年2,500人とか2,600人とかという数の要望は出しているということだと思うんです。そうすると、大体返ってくるのは1割ぐらい、平成17年は240名ですから、要求と現実のかい離というのは大変大きいもので、県警にも是非説得力に満ちた国への増員要求を引き続き図っていただきたいということと、私たちもしっかりとそういうバックアップをできるように頑張ってまいりたいと思いますが、また同時に警察内部の合理化でありますとか、効率化でありますとか、そのあたりもしっかりと取り組んでいき、実質的な機能強化に是非取り組んでいただきたいということを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次は先ほど申し上げましたが、くらし安全指導員の増員についてお伺いをいたします。
 くらし安全指導員は、平成17年度50名増員をして100名にというお話を伺いました。まず、私も町内会の防犯教室でありますとか、そういうところでの御活躍を直接拝見しているわけでございますけれども、くらし安全指導員が活動を開始してからの活動状況についてまずお伺いいたします。

<答弁> 警務課長
 くらし安全指導員につきましては、昨年平成16年6月から活動を開始しておりますけれども、平成17年1月までの約8箇月間の活動状況についてお答えをさせていただきたいと思います。
 実施回数につきましては2,369回、従事員につきましては延べ4,478人、また交通安全だとかあるいは防犯活動の講習に参加していただいた県民の方については21万3,360人ということで承知をしております。




<質疑>
 平成17年度の増員は50人というのも承知をしておるんですが、配置計画というのはどうなっているでしょうか。

<答弁> 警務課長
 知事部局におきましては、平成17年度で50人を増員予定ということでありますけれども、この配置場所につきましては、現在知事部局におきまして今定例会に提案をされております組織改正により、設置される予定の安全防災局や地域県政総合センター等に配置をされるという方向で検討がなされるということで承知をしております。
 なお、現在の配置につきましては、くらし安全指導員の主に生活安全の関係でございますけれども、これにつきましては知事部局の本庁、行政センターの横須賀、三浦、平塚合同庁舎の計4箇所であります。交通につきましては知事部局の本庁1箇所ということでございます。
 平成17年4月以降につきましては、知事部局の本庁、高津合同庁舎、先ほど申し上げました地域県政総合センターを加えまして8箇所、計70人が、既存の部分もございますけれども配置をされる予定であります。交通の部分につきましては、知事部局の本庁と地域県政総合センター、計6箇所ということで、津久井地域県政総合センターを除いて計30名が配置をされるということで承知をしております。




<質疑>
 50人とか100人とかいう人数は、その人数が多いのか、少ないのかはともかくといたしまして今回倍増させるということです。そうすると、倍増させるのならさせるなりに、当然数量的な効果測定というものが必要であろうと思われます。先ほど出動回数等の御説明がありましたけれども、一体このくらし安全指導員を配置したことによって、警察力の強化にどの程度の効果があったのかということをできるだけ分かりやすく具体的に御説明いただければと思います。

<答弁> 警務課長
 先ほどお答え申し上げましたとおり、8箇月間で回数が2,369回、従事人員では延べ4,478人となっており、21万3,360人の県民に対していろいろな防犯だとか、交通だとか少年の関係で実施しております。従来でありますとこれは警察が担って活動をしていたということでありますけれども、そういう意味合いにおきましては警察官が担った部分をこのくらし安全指導員に実施していただいているということで、警察力の一面では強化になっているということで考えております。
 また、県警察では、平成16年は治安回復を軌道に乗せるという年と位置付けまして、街頭犯罪対策だとか、交通対策だとかに取り組んでおりますけれども、その結果、平成15年につきましては平成14年に比較いたしまして刑法犯認知件数ではマイナス1.7%、あるいは検挙率では3.9%の向上ということで一定の成果を上げているところであります。また、防犯あるいは交通安全指導への地域住民の意識の高まりということがありまして、こういう部分がまたその治安の部分にも一つに寄与しているということで認識をしております。




<質疑>
 確かに刑法犯の認知件数が減って、検挙率が高くなったというのも分かります。ただ、今お尋ねしたのは、実際に警察官の方々がされていたお仕事のかわりにくらし安全指導員の皆さんがされるわけですから、そのことによって警察としての負担がどれだけ減ったのかということであり、先ほど数量的な一つの効果測定と言ったのは、出動回数とかももちろん大事なデータなんですけれども、例えば単純なお話ですけれども、くらし安全指導員の人がまちで行ったいろいろな啓発活動だとかは延べ何時間になるのかということです。これを実際に警察官に当てはめてみると、何人の警察官の何日分の仕事だというふうなことまで恐らく出ると思うんです。今回は50人から100人という形で増えましたけれども、今後もし増やしていく、増強していくということであれば、やはりそういう数値的な説得力といいますか、そういったところがもしあればお聞きしたいと思ったんです。

<答弁> 警務課長
 なかなか数値でその部分をあらわすということは非常に難しいんですが、仮にその防犯教室だとかあるいは交通安全教室だとかに、現在従事した人員の延べ4,478人が、1回当たり3時間なり4時間なりかかわったということにしますと、今試算をしているところでは、大体約1日当たり10数名分の警察官の負担に貢献しているのではないかと認識しているところでございます。

<答弁> 警務部長
 まず、交通安全教育あるいは主眼を置いております防犯教室のたぐいというのは、現在の治安が非常に悪化をしております中で、すなわち平成の上半期におきましては犯罪の発生件数が10万件程度でありましたけれども、この平成15年、平成16年から18万件、19万件というように倍増いたしておるわけであります。こういう状況の中で警察力を含め治安という観点から何が一番重要であるかということを考えました場合に、やはり犯罪そのものの数を減らして防犯の力を地域とともに高めていく、これが一番重要であろうというふうに考えてまいったところでございます。そういう中で、県当局と協議をしてまいりまして、警察力の強化を図っていくという中において、警察官の増加ということが第一でありますけれども、それを補うようなあるいはその補助になるような交番相談員等の非常勤職員でありますとか、あるいは警察が今やっているような仕事で県の責務として県職員が一緒にやれるようなことや助けになるようなことはないのかということで、そこで力を入れましたのがまさに犯罪を予防するという地域の住民の方の意識を含めて犯罪自体に遭わないようにしていく、いわゆる社会教育、防犯教育の分野でありますけれども、そこに力点を置いている。
 しかし、業務の内容、効果測定というのは交通安全教育もそうでありますけれども、何人がどれだけ時間を割いたからどれだけ即効果が上がるというものではなく、いろいろな要素で犯罪の予防であったり、あるいは事故の予防であったり、そういうものに結びついていくものでございます。
 委員から先ほど御指摘ございましたこのくらし安全指導員の活動によって即警察官の何人分の業務が削減できたかということでありますけれども、現時点では、こういう犯罪も予防していく、遭わないように犯罪自体を少なくしていくという社会教育、防犯教育はまだまだ理想としているごく一部しかできていない。それだって警察がやっておりますけれども、まだまだくらし安全指導員も多くしていただいて、それで防犯意識、防犯教育をもっともっと高めていかなければならないという状況でございます。県の方では50人から100人として、さらに150人、200人ということもお考えいただいておるようでありますけれども、それがやがてそういう状況になってまいりましたら、警察が今行っている防犯教育等々から警察でなければできないような検挙活動、取締活動のところにシフトしていくことはできる。しかし、今の時点では基盤となる防犯教育意識の向上は、まだまだ不十分であるという認識でございます。
 端的な数字といたしましては、現にくらし安全指導員等の方が従事人員として4,478人延べで従事しておりますから、それがなければ警察がやるべき延べ人員としての業務があったわけでございます。そのように御理解いただければと思います。




<質疑>
 本来警察が行っていたお仕事以上のもの、ある意味ではそういう広がりを持つようになったと、これまでできなかったところもできているというようなお話も伺ったことがあるんです。それはそれとして理解はするんですが、つまり現段階では、例えば警察官に対する負担がどれだけ減ったという効果ははっきり分からないということですか。

<答弁> 警務課長
 基本的には交通講習とか生活安全講習だとかに一人の警察官が専従的に実施をしているわけではございません。いろいろな事件、事故の処理、あるいは交通事故を捜査しつつある中で現実にやっているわけですので、今直ちに数字的に何人分という部分については、ちょっとまだ測定することについては困難だと考えております。




<要望>
 先ほど警務部長からもお話がございましたけれども、くらし安全指導員がいろいろと町の中で啓発活動に当たっても、まだこれでは足りないんだということ、また即何人分に該当するということがはっきりと言えないということも分かりました。ただ、これは警察力を助けるためにつくった制度ですので、今後これを促進していく中で、よりはっきりした効用というものをしっかりと県民の皆さんに分かっていただくためにも、先ほど私が申し上げました実働時間ばかりではないと思いますが、よりはっきりとした数値といいますか、これだけの軽減がなされているというようなことを説明する方法をしっかり考えていただいて、また今後お答えいただければというふうに思っております。
 最後に要望させていただきますが、警察の仕事をくらし安全指導員や県職員に振り向けているわけですが、その人件費もそんなに安いものでもない。今延べ4,478人に当たる出動だったということをお伺いいたしましたけれども、より効率的なくらし安全指導員の皆さんの活用にしっかりと取り組んでいただいて、少しでも警察官の皆さんが本来的なお仕事に専念できるように、今後もお取り組みいただくとともに、先ほど申し上げたとおり、効果というものを私たちや県民にも分かりやすくお示しいただければと思います。以上、要望いたしまして私の質問を終わります。