5.県営住宅の整備について(2)

<質疑>
 次に、県営住宅における高齢者対策について伺います。県営住宅の中で特に大量に供給されてきた時代の、これは昭和38年から49年頃にかけてでありますが、狭小な中層耐火造住宅における高齢者世帯の状況を見ると、全体の58%を高齢者世帯が占め、その34%が単身世帯であります。
 さらに、昭和四十年前後に建てられた団地では、高齢者世帯は全体の66%と、ぐんと比率が高くなります。

 しかし、さきほどお話しした「ストック総合活用計画」によりますと、高齢者仕様の目安となる平成10年整備基準を満たしている住戸はわずか0.2%に過ぎず、平成10年基準に準ずる整備がなされているのも10.7%に過ぎません。
 建て替えがままならないのなら、せめて住宅内や通路・階段など共用部分のバリアフリー化や、階段室型エレベータの設置をというのは高齢の方や障害をお持ちの方はもちろん、住民全体の願いであり、県も高齢者が暮らしやすい住環境の確保は喫緊の課題としております。


 そこで、知事にお伺いいたします。知事は、県営住宅の高齢者対策の実情をどのように捉え、今後、どのような具体的な目標を立てて対策を進めていかれるのか、所見をお伺いいたします。

<答弁>
 本県では、本年2月1日現在で45,705戸の県営住宅を管理しておりますが、60歳以上の高齢者を含む入居者世帯は23,233世帯、全体の54.2%でありまして、ご指摘のとおり、高齢化はかなり進んでいる状況でございます。
 こうした状況を踏まえ、県といたしましては、高齢者世帯の1・2階への住み替えや、建替事業、改善事業を通じて、高齢者対策に積極的に取り組んでおります。
 具体的には、建替事業では、住宅内および階段、通路等の共用部分にバリアフリー化を講じるとともに、原則として、3階建て以上の建物にエレベーターを設置しております。
 また、平成13年度から実施している全面的改善事業でも、同様の高齢者対策を図っております。
 さらに、維持保全や個別改善事業としても、入居者のご要望や個別の状況を確認しながら、住宅内や共用部分の段差の解消、手すりの設置などに取り組んでいるところでございます。

 こうした取組みの結果、本年2月1日現在では、県営住宅全体の約3割近く、27.6%の住戸につきまして、段差の解消、手すりの設置などのバリアフリー化を中心に高齢者対応が図られ、高齢者世帯に対しましては、半分程度の対応が図られたところでございます。
 今後とも、これまでの取組みを一層推進するとともに、福祉施策等との連携を強化しつつ、県営住宅にお住まいのすべての高齢者の方が、バリアフリー化など一定の住環境を備えた住居に入居できることを目指して、ソフト面、ハード面における施策の推進に努めてまいりたいと考えております。

 また、先ほど申し上げました「公営住宅ストック総合活用計画」の見直し等にあたりましては、高齢者対策の具体的な目標を設定することも含め、検討を進めてまいりたいと考えております。