4.アレルギー疾患対策について
<質疑>
 わが党は、一貫してアレルギー疾患対策に取り組んでまいりました。最近の県議会におきましても昨年6月定例会で藤井議員が、どこの病院に、どんな医師がいるのか、専門医の配置状況を広く県民に情報公開すべきであると指摘し、続く9月定例会でも赤井議員が、患者が増加している状況のなかで、全庁横断的なアレルギー疾患対策本部を設置して、より強力な取り組みを進めるべきであると主張しております。

 そのようななか、去る2月6日、10日、17日の3日間、県内の保健・医療・福祉関係職員および学校関係職員を対象に、県立保健福祉大学で行なわれた「アレルギー研修」は、他の自治体では例のない画期的な取り組みと言えるものでした。
 今後は対象者の方々に開催意義の徹底を図るとともに、あらかじめ年間計画を発表するなど、なるべき多くの方が意欲を持って参加できるよう、PRに努める必要があると思います。
 さらに県として、こども医療センター、衛生研究所、保健福祉大学を結んだ、アレルギー疾患における「臨床・研究・研修の一元化」と、国立相模原病院などアレルギー疾患に積極的に取り組んでいる機関と、医師や研究者の人事交流を図るなど連携を強めることが重要であると考えます。

 また、小児アレルギー疾患対策には学校関係者の取り組みが不可欠であります。例えば、食物アレルギーを持つ子の給食対応は校長の判断に任せるということになっていますが、ほとんど対応がなされていないのが現実です。


 そこで、知事にお伺いいたします。アレルギー疾患に関する臨床・研究・研修の一元化を図るために、まず保健福祉大学において専門的な知識および技術を教授・研究するために「アレルギー講座」を設置してはどうかと思いますが、知事のご所見をお伺いいたします。
 また、「アレルギー研修」を、希望する職員だけでなく、学校・幼稚園・保育所や病院の栄養士、養護教諭、栄養教諭等、関係者の「必須研修」とし、実効性を高めるとともに、食物アレルギーの子を持つ親を対象にした「アレルギー食講座」を保健福祉大学に設置し、学校・家庭両面からアレルギーをもつ子の安全を図っていくべきと考えますが、併せて所見を伺います。

 こうした取り組みは他に例がなく、特色ある保健福祉大学づくりにもつながるものと思いますので、ぜひ前向きなご答弁をお願いいたします。

<答弁>
 県のアレルギー対策は、各部局相互の連携を図る「対策会議」を設け、取り組んでいる
ところでありますが、これに関連してご質問をいただきました。まず、保健福祉大学に「アレルギー講座」を設置してはどうかという提案であります。
 保健福祉大学は、保健・医療・福祉の各領域にわたる総合的な人材の育成を目的としておりまして、年々増加傾向にあるアレルギー疾患の患者への対応に必要な専門的な知識を習得することも、重要なことと考えております。
 現在、学生は1年生だけでありますので、一般教養が中心でありますが、今後、専門科目の中で、アレルギーについても授業を行なう計画でございます。

 次に、「アレルギー研修」を必修研修として行なう必要があるとのお話がありました。県民の多様な健康ニーズに対応した健康相談・指導の実施や、学校におけるアレルギー疾患を持つ児童・生徒への適切な対応を図るためには「アレルギー研修」による職員の知識習得が必要でございます。
 そこで、来年度の開講に向けましては、すべての関係者に必修とすることは難しいと考えますが、今後、今年度の成果も踏まえ、研修内容の充実とともに、開講時期や日程などにつきましては、十分検討し、参加者が受講しやすい環境づくりを行なってまいります。
 この研修とは別に教育委員会でも、16年度から「養護教諭学校保健研修会」や「学校栄養職員10年経験者研修会」において、アレルギー問題についての講義を組む予定でありますので、こうした研修との連携も図りながら、アレルギー疾患にかかわる職員の人材育成に取り組んでまいります。

 また、アレルギーの子どもを持つ親を対象とした「アレルギー食講座」の設置でありますが、現在、保健福祉事務所において医師、保健士、栄養士等が連携して、食物アレルギーを含めた個別相談や講演会を実施しております。今後、こうした取組みを充実するとともに、大学においてもアレルギーを含めて健康問題をテーマとした公開講座の取組みを検討してまいります。