天下り根絶めざす
国家公務員法改正案 どの党よりも厳格な公明案
(6月3日)
 民主党は、昨年の衆院選マニフェストで「天下り根絶」を掲げ、定年退職前の“肩たたき”(早期退職勧奨)の禁止を明記していました。ところが……。
 政府が示した改正案では「早期勧奨退職の禁止」が外されていました。天下り先を確保した上で定年前に退職する、この仕組みこそ、天下りの温床となるのです。
 また、民主党は「国家公務員の総人件費2割削減」も声高に訴えていましたが、それも示されず、総務省からは、総人件費の削減どころか逆に2割増加する見通しが語られる始末です。
 なにより、政府案の欠陥は、公務員制度改革の全体像が欠落していることです。閣僚答弁によると、来年度の通常国会にすべて提出とのことですが、ならば、なぜ生煮えの法案をこのタイミングで強行する必要があったのか。
 内閣官房に内閣人事局を設け、幹部官僚人事を首相官邸に一元化するとも言っていますが、600人からの幹部職員の適正な見極めを、政治家がどこまでできるのか。情実人事、恣意的な人事を排除する取り組みは、全く見えてきません。
 政府案に対し、自民党、みんなの党が対案を出しましたが、公明党は、この野党案も天下り根絶の実効性に乏しいとして、最も厳しい内容の修正案を提出。内閣委員会でその趣旨説明を行なった矢先に、あの三宅雪子議員の転倒騒ぎで注目を浴びた強行採決です。その強引さが、かえって“骨抜き法案”を印象付ける結果となりました。
 国家公務員法に関する各党案の比較 ( ○ 記載あり × 記載なし)
 
公明案
政府案
自民・みんな案
早期退職勧奨(肩たたき)の禁止
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再就職※の原則禁止期間の設置
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再就職のあっせん規制違反への罰則
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※ 離職前5年間に在職していた国の機関や独立行政法人などと密接な関係にある企業や公益法人に就職すること